[東京 10日 ロイター] - 東京都の小池百合子知事は10日、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を受けた休業要請の対象と補償措置を公表した。遊興施設や大学、商業施設など6業態・施設に対して11日から休業を要請する一方、営業自粛に協力した中小企業を対象に1社あたり50万円から100万円の補償を「協力金」として支払う。15日公表予定の都の緊急対策に盛り込む。
<居酒屋は営業午後8時・酒類販売7時まで>
営業休止を要請するのは遊興施設、大学・学習塾、運動遊技施設、劇場、集会・展示施設、商業施設。文教施設は、原則として施設の使用停止と催し物の開催の停止を求める。
居酒屋を含む飲食店は、営業時間を午前5時から午後8時まで、酒類の販売は午後7時までに短縮する。
インターネットカフェは休業対象となるが、寝泊りする人々に対して住居を支援、500人規模を想定し12億円を予算措置しており、必要であればさらに拡充する。
保育所、学童クラブ、介護等福祉サービスや保険医療サービスを提供する施設には、適切な感染防止対策の協力を要請する。
医療と生活必需物資販売などについては、社会生活を維持する上で必要として原則、営業継続を認める。
営業継続の可否を巡り事業者からの質問に答えるため、10日午後6時から無料通信アプリLINEによる問い合わせを始める。
<他の自治体の休業支援、「国の課題」>
小池都知事は安倍晋三首相が緊急事態宣言を発令した7日にも休業要請対象を公表する予定だったが、感染動向を見極めた上で発令してほしいとの国の意向を受け10日にずれ込んだ。休業補償は1社1事業所の場合50万円、複数事業所の場合は100万円を支給する。
東京都以外の自治体では、財政余力が乏しいため休業要請を行うには補償を可能とする国の支援が不可欠との声が多い。小池知事は「国全体としてどう考えるかは国の課題」と述べつつ、新型ウイルスの特措法を担担当する西村康稔経済再生相が地方特例交付金1兆円を活用して欲しいと述べていたとし、各都道府県で工夫の余地があるとの見解を示した。
小池知事は「ひっ迫する都内の医療を守るため、何としても人と人との接触を8割減らす」として協力を呼び掛け、買いだめや早急な帰省の自粛も求めた。
食料品や医薬品店の行列・混雑が感染を拡大させかねないとして、「社会的距離」の必要性をポスターで呼び掛けるという。
*内容を追加し、写真を差し替えて再送します。
(竹本能文 編集:青山敦子、田中志保)