ドル/円
午後3時現在 84.36/38 1.2901/05 108.83/88
正午現在 84.35/40 1.2888/93 108.74/76
午前9時現在 84.45/49 1.2886/89 108.83/88
NY17時現在 84.30/35 1.2893/99 108.68/73
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[東京 6日 ロイター] 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場の午後5時時点
とほぼ変わらずの84円前半。ドルは対アジア通貨を中心に軟調展開となった。ユーロ/
ドルも午後3時過ぎの取引で一時1.2914ドルまで上昇。2週間半ぶり高値をつけた。
週明けのアジア市場でも、ドルは対円以外で軟調。前週末に発表された8月米雇用統計
が予想を上回ったことで「米債を中心に逃避していた資金が再還流する形でドルが下落」
(邦銀)する展開が続いた。
ドルが売られる一方、顕著だったのはアジア通貨の堅調地合い。マレーシアリンギ
も2年半ぶり高値圏で底堅い動きとなった。都銀のアジア通貨担当者は「投資家が少しは
リスクを取れる状況にあるようで、長期視点ならアジアに安心感があるとの見方から、株
式市場への資本流入を伴う形で通貨が買われている」と話している。
この日のアジア株式市場ではタイが14年ぶり高値を更新、シンガポール株も1カ月ぶ
り高値圏での取引となった。
ドル/円は84円前半で一進一退が続いた。ドルは対円以外で下落基調が強まり、主要
通貨に対するドルの値動き示すドル指数<.DXY>は一時81.912と18日以来の低水準
をつけたが、ドル/円は狭いレンジ内でほとんど値動きがなかった。
前週末の海外市場では、予想を上回る8月米雇用統計にもかかわらず「85円前半での
売りが強烈だった。多くの参加者が依然としてドル/円は下値リスクのほうが大きいと見
ているようだ」(外銀)が、一方の下値では国内勢やアジア・欧米の投資家やファンド勢
が、米金利の低下一巡感などを手掛かりとして「まとまった買いに動く姿も目立ってきた」
(別の外銀)という。
<次回21日のFOMCで追加緩和との見方も>
米雇用統計発表後にロイターがプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)
に対して行った調査によると、15社中6社が連邦準備理事会(FRB)は年内にバラン
スシート拡大に動くと予想。また3社はバランスシート拡大の可能性があるとしており、
米金融緩和期待は根強い。
ただ、雇用統計が予想ほど弱くなかったことで「次回21日の連邦公開市場委員会(F
OMC)では追加緩和は見送るだろう」(国内金融機関)との声が出ている。一方で、み
ずほコーポレート銀行マーケット・エコノミスト、唐鎌大輔氏は「製造業の雇用が減少に
転じるなど、内容はよくない。米金融当局が最も重視している失業率が上昇している。次
回21日のFOMCでは、米国債の一段買い増しなど追加緩和に踏み切る可能性がある」
(唐鎌氏)としている。
<オバマ米大統領の景気対策に関心>
オバマ大統領は8日にクリーブランドで行う演説で、企業の研究開発向け税額控除措置
の拡大・恒久化などの景気対策を明らかにする予定。中間層向けの減税や、クリーンエネ
ルギー投資、インフラ支出の拡大、雇用促進に向けた企業への減税拡大などが含まれる可
能性がある。「内容次第で米国株・米国金利上昇の可能性はある。住宅問題への支援策が
含まれればインパクトがありそうだ」(みずほコーポレート銀行、唐鎌氏)、「企業への
減税で株式市場にアピールする可能性がある。雇用や消費にどの程度配慮されるかがポイ
ントになる」(国内金融機関)などの声が出ている。
(ロイター 基太村真司記者)