[東京 23日 ロイター] - 今週の東京株式市場は、上値を試す展開となりそうだ。重要イベントを通過し手がかり材料が少ない中、好需給が相場の支えになる。緩和環境を背景とする海外勢の買いや公的マネーの買いに加え、26日の3月期末権利付き最終売買日に向けて配当取りの意識も強くなりやすい。一方で高値警戒感が強く、上昇ピッチは鈍化が見込まれる。
日経平均の予想レンジは1万9100円─2万円。
需給が支配する相場ではあるが、賃上げやROE(株主資本利益率)改善を狙う自社株買い、増配など企業側も変化の姿勢を示している。来期にかけての企業業績拡大に対する期待も強く、日本株は慢性化する過熱感の中で底堅さを維持している。 今週も堅調な地合いは崩れそうもない。市場では「海外勢による先物ポジションの積み上げが一巡し、さすがに上昇ピッチは鈍るとみているが、日本株は米株安にも反応しない強い需給に支えられている。月内は不安材料が乏しい」(東海東京調査センター・シニアマーケットアナリストの鈴木誠一氏)との見方が出ている。 26日の3月期末権利付き最終売買日に向けて、配当確保を狙う投資家はまとまった売りを手控える可能性が高い。配当分の再投資に伴う買いも相場を支えそうだ。足元では増配予想を発表したヤフー 4689.T や三菱電機 6503.T が買われるなど投資家は配当に関するニュースに敏感になっている。増配銘柄は引き続き物色対象になるとみられる。
17―18日に行われた米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果、6月の米利上げ観測が後退し、世界的な緩和環境は継続する公算が大きくなった。「日本株は下落した日でも売買高が膨らみ、下値での買い需要が確認された。日経平均は週後半にかけて上値追いの展開となり、2万円も視野に入る」(野村証券投資情報部次長の田之上章氏)との声が出ている。外部環境に異変があれば、いつリスク回避の円高・株安となってもおかしくないが、現状では大きなリスク要因が見当たらない。 国内景気の回復期待が高まる中で、経済指標では27日発表の2月実質消費支出、2月小売業販売額などが注目される。良好な内容であれば、3月日銀短観(4月1日発表)に期待をつなぐことになる。
(株式マーケットチーム※)