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ビジョン Research Memo(6):レンタル件数拡大と収益性向上施策でグローバルWiFi事業は大幅増収増益に

発行済 2018-09-13 15:51
更新済 2018-09-13 16:00
ビジョン Research Memo(6):レンタル件数拡大と収益性向上施策でグローバルWiFi事業は大幅増収増益に
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■業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) グローバルWiFi事業
ビジョン (T:9416)の2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比26.5%増の5,987百万円、セグメント利益は同55.8%増の1,149百万円と大幅増収増益となり、セグメント利益率も同3.6ポイント上昇の19.2%となった。
同期間における海外渡航者数が前年同期比4.3%増の878万人※1と堅調に推移したほか、訪日外国人旅行者数も同15.6%増の1,589万人※2と好調を持続するなど市場環境が良好だったことに加え、WiFiレンタルサービスの認知度向上に伴い個人旅行客の利用が大きく伸びたこと、また、季節変動の少ない法人需要の開拓も順調に進んだこと、リピート利用者の積み上げを図れたことが高成長につながった。


※1 出入国管理統計を基に算出。

※2 日本政府観光局(JNTO)統計。



当第2四半期累計のレンタル件数は前年同期比31.4%増の966千件となり、うち海外利用(日本→海外)は同31.1%増の754千件、国内利用(海外→日本)は同41.4%増の180千件、海外事業(海外→海外)は同3.8%減の31千件となった。
海外事業のみ減少したが、これは海外での取扱店舗数の新設がなかったことや訪日外国人向けの需要が引き続き拡大していることによるもので、利用件数そのものも少なく影響はほとんどない。


また、ARPU(1回当たりの顧客平均単価)が前年同期比で3.7%減となったが、平均単価の低い個人向けの比率(件数ベース)が前年同期の53.7%から60.1%に上昇したことが主因となっている。
個人向けに関しては季節に応じて割安プランをフレキシブルに導入していることも一因だ。
ただ、個人客での利用率が高まっていることは今後の更なる成長が期待できることにもなり、レンタル件数の高成長が継続する限りポジティブに捉えるべきだろう。
海外利用におけるレンタル件数を顧客属性別で見ると、法人向けが前年同期比で13.0%増だったのに対して個人向けは同46.7%増と大幅伸長した。
また、新規とリピート客で見れば、新規が同25.3%増だったのに対してリピート客は同36.3%増となっており、個人のリピート客が年々増加していることが数字から推察される。


セグメント利益率の上昇要因は、前述したとおり通信回線調達コストの低廉化とクラウドWiFiルーターの導入効果が大きく寄与している。
通常、通信キャリアが提供するデータ通信サービスはボリュームディスカウントが効きやすいため、高成長が続く同社にとって仕入条件の改善につながることになる。


また、クラウドWiFiサービスについては、クラウド上でSIMを管理するため通信回線の効率化が図れるほか、物理的なSIMカードの差し替えが不要になるといったメリットがある。
従来は、ユーザーから返却されたWiFiルーターは、一担出荷センターでSIMの容量チェックや差し替えを行う必要があったが、クラウドWiFiサービスではこうした作業が不要となり、出荷センターにおけるオペレーションコストの低減につながっている。
また、従来は空港カウンター等に返却されたルーターはチェックのため一担、出荷センターまで戻す必要があったが、クラウドWiFiルーターは空港カウンターでそのまま保管できるため、回転率の上昇や物流コストの低減にも寄与している。
クラウドWiFiルーターの出荷比率は2017年6月時点で約20%、同年12月時点で約50%、2018年6月時点で約78%と段階的に上昇しており、2018年12月時点には約90%の水準まで上昇する見込みとなっている。
クラウドサービスに対応していない国と地域も一部あるため、ほぼ上限に近付くことになる。


また、「スマートピックアップ」については新たに中部国際空港にも新設し(合計5空港に導入)、オペレーションの自動化による空港カウンターコストの低減及びカウンター窓口の稼働率向上によるオプションサービス等の付帯率向上に寄与している。


(2) 情報通信サービス事業
2018年12月期第2四半期累計の売上高は前年同期比6.5%増の3,827百万円、セグメント利益は同5.9%増の634百万円と増収増益基調が続いた。
主要ターゲットであるスタートアップ、ベンチャー企業の取り込が順調に推移したほか、CRMによる継続取引の積み上げ及びアップセル/クロスセル戦略が順調に進んだことが増収増益要因となった。
商材別では、携帯電話販売が減少したものの2016年6月より取扱いを開始した電力サービス「ハルエネでんき」がコストメリットの大きい飲食店向けを中心に引き続き好調に推移した。
電力サービスはクロスセルによる獲得であり収益性が高く、増収増益に貢献している。


(3) その他
その他(カタログ販売事業やメディア事業、新規事業など)の当第2四半期累計売上高は前年同期比58.5%増の40百万円、セグメント損失は67百万円(前年同期は47百万円の損失)となった。
訪日外国人向けのフリーぺーパーや同梱チラシ等のサービスは黒字化してきたものの、新規事業への投資等によって若干の損失が出ている。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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