[昆明(中国) 12日 ロイター] - 中国の習近平国家主席は12日、途上国の生物多様性の保護を支援するため、15億元(2億3247万ドル)規模の基金を立ち上げると発表した。
中国・昆明で開催されている国連の生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)でオンライン形式で演説した。
習主席は「途上国がより公平な形で恩恵を受けるには、支援が必要で団結を強化する必要がある」と述べた。
グリーンピース・チャイナの気候担当シニアアドバイザー、Li Shuo氏は、今回の基金設立について「喫緊の課題である生物多様性ファイナンスについて対話を開始するきっかけとなる」とし「COP15では、この点で先進国の援助が必要だ」と述べた。
専門家は、サステナブルなサプライチェーンの構築や各国の自然保護の支援には、推定で年間1兆ドルが必要だと指摘。これは2019年の実績1500億ドルを大幅に上回る。
習主席は「昆明生物多様性基金」は15億元からスタートするが、外部からの寄付を歓迎すると表明。
国内の国立公園制度を強化する計画も発表し、第一弾として23万平方キロメートルの土地を保護区とする方針を示した。国内で見られる陸生の主要野生生物種の30%近くが、この地域に生息しているという。
保全生物学者のアリス・ヒューズ氏は「中国は大豆などに関して、国内のフットプリントを管理しており、これが海外のフットプリント増加につながっている。こうした状況が続けば、海外諸国は生物多様性を維持できない」と指摘。「リーダーになりたい国は海外のフットプリントにも責任を持つ必要がある」と述べた。