[メルボルン 25日 ロイター] - 全豪オープンを主催するオーストラリア・テニス協会のクレイグ・タイリー最高経営責任者(CEO)は25日、ファンが「彭帥さんはどこ」と書かれたシャツを着用することを認めた。
このシャツを巡っては、22日に交流サイト(SNS)上で投稿された動画で、試合会場の警備員が横断幕などとともに没収したことが明らかになった。同協会は大会では政治的なメッセージを容認しないとし、今回の対応を擁護していた。
これに対し、女子テニスで四大大会通算18回の優勝を誇るマルチナ・ナブラチロワ氏がその対応について「臆病」と述べ、人権問題よりもスポンサー資金を優先していると批判した。
こうした状況を受け、タイリーCEOはロイターの電話取材に応じ、「テニスを楽しむために入場し、『彭帥さんはどこ』と書かれたTシャツを着ているなら問題ない」とコメント。集団化し、暴徒化するなど混乱を招くようになったら別問題との見解を示し、多くの誤解があったと説明した。
また、警備員の取った対応については「動機と意図」を疑ってのものだったとし、「会場にポール付きの横断幕を持ち込んで、他の人々の観戦を邪魔するなら、それは除外する必要がある。Tシャツを着て、彭帥さんを応援するのは構わないし、他のことをするのも問題ない」と語った。
彭さんは昨年、中国の張高麗元副首相から性的暴行を受けていたとSNSに投稿。その後、約3週間にわたり公の場に姿を見せなかった。
彭さんは先月になって、性的暴行を受けたと主張したことはなく、SNSへの投稿は誤解されたと発言。しかし、女子テニス協会(WTA)などは発言の信ぴょう性に疑問を呈し、懸念は解消されていないとの見解を示している。