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北朝鮮、30日に中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験

発行済 2022-01-31 07:01
更新済 2022-01-31 17:28
© Reuters.   1月31日、    北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)によると、同国は「中長距離弾道ミサイル」の「火星12」を30日に試射したと明らかにした。写真は北朝鮮の旗。クアラルンプ

[ソウル 31日 ロイター] - 北朝鮮は31日、中距離弾道ミサイル「火星12」の発射実験を30日に実施したと明らかにした。国営の朝鮮中央通信(KCNA)が報じた。

北朝鮮のミサイル発射は今月に入り7回目。中距離弾道ミサイル(IRBM)発射は2017年以来。

韓国軍合同参謀本部は30日朝、北朝鮮が東岸沖へ飛翔体を発射したと発表。日本政府は中距離以上の弾道弾だったと分析していた。

KCNAは「地対地中長距離弾道ミサイルの火星12を選択的に点検し、この兵器システムの全体的な精度を検証する目的で検収射撃実験が行われた」と報じた。北朝鮮は以前、火星12に大型・大重量の核弾頭を搭載することが可能だと明らかにしている。

KCNAは今回のミサイル実験について、「周辺国の安全を考慮して」高い軌道で発射されたと説明。

弾頭部にはカメラを取り付け、飛行中に撮影を行ったとし、円形のカメラレンズを通じて北朝鮮やその周辺を宇宙から撮影した写真を公開した。

金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が今回の試射に立ち会ったとは報じられていない。

KCNAは、試射は「製造された火星12型兵器システムの精度、安全性、運用上の有効性を確認した」としている。

北朝鮮は18年に大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を一時停止(モラトリアム)したが、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、北朝鮮がこの撤回に近づいたとの認識を示した。

北朝鮮は今月、米国や同盟国に「敵視政策」をやめる兆しが見られないとして、核実験やICBM発射実験を再開する可能性を示唆した。

米政府高官は30日夜、北朝鮮がミサイル実験を加速させていることについて、核兵器やICBMの実験再開の前兆ではないかと懸念を示した。同時に、前提条件なしの直接対話に応じるよう呼び掛けた。

北朝鮮は17年に火星12を少なくとも6回発射し、このうち3回は成功、3回は失敗。2回は北海道上空を通過した。

米ワシントンのシンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)によると、火星12の射程は4500キロと推定され、米領グアムやアラスカ州アリューシャン列島の西端が圏内に入る。

一方、北朝鮮がこれまでに試射したミサイルの中で最も威力が強いICBM「火星15」の射程は8500─1万3000キロと推定され、米本土全域を攻撃できるという。火星15は17年11月に発射実験が1回行われている。

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