[ブリュッセル/ウィーン 21日 ロイター] - 欧州連合(EU)は21日、外相理事会を開催し、ロシアに対する制裁をまだ行わないことで一致した。まず緊張緩和に向けた外交努力を続ける方針。即時の制裁導入を求めるウクライナの意向には沿わない形となった。
リトアニアのランズベルギス外相は、ウクライナは既に経済面などで甚大な被害を被っているとして、ロシアによる侵攻を確認した場合以外にも制裁を科すべきと主張。また、ロシア軍を駐留させているベラルーシにも追加制裁を科すよう要請した。
これに対し、欧州連合(EU)の外相に当たるボレル外交安全保障上級代表ら複数の外相は、まだロシアに制裁を科す予定はないことを明らかにした。またボレル氏は「時期が来た場合には」、制裁実施の合意に向けた臨時会合を招集する考えを示した。
オーストリアのネハンマー首相によると、EUが準備した対ロ制裁では、ロシア産の天然ガスをドイツに輸送するパイプライン「ノルドストリーム2」も対象に含まれる。
このパイプラインは建設済みだが、独およびEU当局の承認待ちでまだ稼働していない。