[ワシントン 21日 ロイター] - ロシアがウクライナ東部の親ロシア派2地域の独立を承認し、軍派遣を決めたことを受け、米政府は22日に新たな対ロ制裁を発表する見通しで、同盟国との調整を進めている。複数の当局者が21日、明らかにした。
グリーンフィールド米国連大使は国連安全保障理事会の会合後、「米国は明日、国際法を明確に違反し、ウクライナの主権および領土の保全を侵害したロシアに制裁を発動する」と表明。
「われわれは一致団結して、ロシアに部隊撤収と外交交渉への復帰、和平への取り組みを要求する必要があり、それができるし、そうするつもりだ」と強調した。
ロシアのプーチン大統領による親ロ派地域の独立承認と軍派遣命令を受け、バイデン米大統領は同2地域に関し、米国人の投資や貿易、資金調達を禁止する大統領令に署名した。
当局者によると、これらの措置はロシアがウクライナ侵攻に踏み切った場合の対応として米国と同盟国が策定している広範な制裁とは異なる。サキ大統領報道官によると、追加措置は22日に打ち出される。
ロイターは22日に発表される制裁措置を特定できていないが、関係者は先週末に、米金融機関にロシアの主要銀行との決済を禁じる措置を盛り込んだ第1段階の制裁をバイデン政権が準備していると明らかにしていた。
ロシアの特定の個人や企業を制裁対象となる特別指定国民(SDN)に指定して米金融ネットワークから事実上排除し、米国人との取引を禁止するとともに米国内の資産を凍結する強力な制裁も打ち出す見通しだという。
米政府はまた、ロシアがウクライナ侵攻に踏み切った場合、ロシアの一般市民には影響が及ばない、産業部門に的を絞った輸出規制を検討していると、ホワイトハウスの国家安全保障担当高官であるピーター・ハレル氏が1月に明らかにしていた。
輸出規制も制裁の一部として発表される可能性があるが、他の制裁とは異なり、すぐに効果は表れないとみられる。
ハレル氏は対象となる産業部門について詳細を示さなかったが、他の当局者らは航空、海運、ロボット、人工知能(AI)、量子計算、防衛の分野をこれまでに挙げている。