[キーウ 11日 ロイター] - ウクライナは11日、南東部マリウポリに対するロシア軍の攻撃で数万人が死亡した可能性があると発表した。またロシア軍がマリウポリからの避難を遅らせており、状況は絶望的とした。
ウクライナのゼレンスキー大統領は11日、ビデオを通じて韓国国会で演説し、「マリウポリは破壊され、何万人もが死亡した。にもかかわらず、ロシアは攻撃をやめようとしない」と強調した。
正確な死者数は不明だが、数万人との推定が確認されればウクライナの一地域での死者数として最多となる。
親ロシア派の「ドネツク人民共和国」を率いるデニス・プシーリン氏はロシア通信(RIA)で11日、マリウポリの死者数は5000人以上に上る可能性があるが、その責任はウクライナ軍にあると述べた。
マリウポリ市当局者によると、マリウポリからの避難者が減少しているが、これは避難を望む人が減ったからではなく、ロシア軍が避難前のチェックを遅らせているためと指摘。ロシア軍によるチェックを待つ人は約1万人に上るという。
ロシア側は軍人の避難を認めていない。ロシア側からのコメントは現時点で得られていないが、以前にはウクライナが避難を妨げているとしていた。
ウクライナのベレシュチュク副首相によると、マリウポリからの人道回廊は自家用車のみで、バスでの避難は認められていないという。