[パリ 13日 ロイター] - 1950年代後半に始まった映画運動「ヌーベルバーグ(新しい波)」の旗手として知られるフランス映画界の巨匠ジャンリュック・ゴダール監督が13日、スイスの自宅で死去した。91歳だった。家族などが明らかにした。
フランス映画の既成概念を打ち破り、手持ちカメラの使用やジャンプカットによる編集、実存的な会話の導入など、新しい映画作りの道を開拓。「勝手にしやがれ」や「軽蔑」など数々の名作を残した。
ゴダール氏は30年にパリの裕福な家庭で生まれ、50年代終盤からフランソワ・トリュフォー、エリック・ロメール両氏らと共にヌーベルバーグの中心的存在として活躍した。
仏メディアによると、家族はゴダール氏について「愛する人に囲まれ、自宅で安らかに息を引き取った」との声明を発表。公の葬儀などは行わないという。
仏紙リベラシオンは、ゴダール氏がスイスの法律で認められている自殺ほう助による死を選択したと伝えた。家族に近い人物は「それが彼の決断であり、人々がそれを知ることが彼には重要だった」と話したという。
ロイターの取材に対し、家族はそれ以上のコメントはないと述べた。