[サンフランシスコ 31日 ロイター] - 米下院のナンシー・ペロシ議長の自宅に侵入し、議長の夫ポール氏に暴行したとして訴追された男が議長を人質に取る計画だったことが、捜査資料で31日分かった。
暴行と誘拐未遂容疑で訴追されたデービッド・デパペ容疑者(42)は、ペロシ議長のサンフランシスコにある自宅に28日未明にハンマーを持って侵入、ポール氏(82)を暴行した。当時、議長はワシントンにおり不在だった。
米連邦捜査局(FBI)の供述書によると、容疑者はペロシ議長を人質にして、尋問で嘘をついたら膝頭を折るつもりだった。
会見した地方検事は、襲撃は政治的動機によるものだと説明した。
警察は議長の自宅で結束バンドを見つけたほか、容疑者の荷物からテープや縄、ハンマー、手袋などを押収した。
ポール氏は警察に対し、寝室に入ってきたハンマーを持った見知らぬ男に起こされ、議長と話がしたいと要求されたと説明。議長は数日不在だと伝えると、男は議長が帰るまで待つと答えた。その後、ポール氏はバスルームに逃げ込んで警察に通報したという。
ポール氏は頭蓋骨骨折、両手と右腕のけがの治療のため入院している。
供述書によると、逮捕された容疑者は警察の事情聴取に対し、ペロシ議長を人質にして尋問するつもりで、真実を話せば解放し、嘘をつけば膝頭を折るつもりだったと語った。
容疑者は連邦法により暴行と誘拐未遂の罪で最高50年の禁錮刑が科せられる可能性がある。またカリフォルニア州も複数の容疑で訴追しており、終身刑となる可能性もある。