[キーウ(キエフ) 5日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は4日夜の演説で、越冬に向け国民に忍耐と団結を呼びかけた。国内では電力などの復旧作業が続けられている。
大統領は「この冬を乗り切るには、これまで以上に打たれ強く、これまで以上に団結する必要がある。内紛や攻撃でわれわれが弱体化することがあってはならない」と訴えた。
キーウ(キエフ)のクリチコ市長は通信アプリ「テレグラム」で5日以降の停電は、送電網復旧に向けた計画停電に限定されるとした上で、状況は「厳しい」との認識を示した。
国内最大のエネルギー会社DTEKは、オデーサ(オデッサ)、ドネツク、ドニエプロペトロフスクで停電が計画されていることを明らかにした。
ヘルソン州知事によると、同州では顧客の85%が電力を確保している。
<ロシア軍は勢力維持か>
ゼレンスキー大統領は戦況について、ロシアの次の目標とみられている東部ドネツク州の要衝バフムトを含め、ウクライナ軍が前線で勢力を維持していると語った。
ウクライナ軍によると、ロシア軍はバフムトや同州アウディーイウカでの進軍に向け戦略配置の調整を進めている。
ロシア国防省は、バフムトでの作戦はうまく進んでおり、ドネツク方面でウクライナ軍からの攻撃を押し戻したと説明した。
ロシア軍は南部の前線でも、カホフカダムのウクライナ側の管理区域沿いにある25の集落を砲撃した。
南部ザポロジエ市議会の秘書であるアナトリー・クルテフ氏は5日、ロシア軍が夜間に産業・エネルギーインフラをロケット弾で攻撃したと述べた。ロイターは真偽を確認できていない。
米情報機関トップのヘインズ国家情報長官は3日、ロシアのウクライナ侵攻について、戦闘の勢いが落ちており、この状態が「今後数カ月続く可能性が高い」と述べていた。
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