40%引きでご購読
🔥 当社AIが選択した株式戦略、テクノロジー大手、は5月までに+7.1%の上昇。株式がブームなうちに行動を起こしましょう。40%割引で開始

情報BOX:中国はウクライナ和平を橋渡しできるか

発行済 2023-03-17 15:20
更新済 2023-03-17 15:29
© Reuters.  中国が、ロシアとウクライナを和平協議のテーブルに招こうとしているとの観測が出てきている。写真は中国の習主席(右)とロシアのプーチン大統領。北京で2022年2月撮影。提供

[北京 16日 ロイター] - 中国政府は2月24日、ウクライナ危機に関する中国の立場を表明する文書を公表し、ロシアとウクライナがともに歩み寄って全面的な停戦を目指すよう呼びかけた。習近平国家主席は近くロシアを訪れてプーチン大統領と会談する見通しで、ウクライナのゼレンスキー大統領ともバーチャル方式で話し合う機会を設けると報じられている。

中国外務省は双方と連絡を取り続けていると述べたが、習氏とプーチン氏ないしゼレンスキー氏と会談することは正式に認めていない。ただ中国が、ロシアとウクライナを和平協議のテーブルに招こうとしているとの観測が出てきている。

◎中国が仲介に乗り出そうとする理由

中国は伝統的に他国の対立、特に自国から遠く離れた地域の対立には干渉しないという原則を堅持してきた。しかし先週には北京でサウジアラビアとイランの外交関係正常化合意をお膳立てし、習指導部の下で中国は責任ある大国として存在感を示そうとしている、と専門家は分析する。

香港城市大学のワン・ジャンギュ教授(法学)は「習氏は、国際社会において少なくとも米大統領と同じぐらい影響力のある政治家とみなされたいのだろう」と述べた。

中国としては、ウクライナ問題で侵略者ロシアの味方をしているとの批判を払しょくすることにも躍起となっている。

そこで仲介者を演じるのは、早期の事態打開が見込み薄だとしても、中国にとって「ローリスク・ハイリターン」の試みだともみられている。

◎中国の和平案

中国は「ウクライナ危機の政治的解決」と題した文書で、ロシアとウクライナがともに緊張を徐々に和らげて包括的な停戦に至るよう促した。

この文書は民間人の保護やあらゆる国家の主権尊重を求めているが、ロシアの侵略行為に対する非難は差し控えた。

ロシアとウクライナいずれもそれほど大々的な歓迎姿勢は示さず、米国と北大西洋条約機構(NATO)は中国の中立性を疑っている。

和平を考えるのはロシアが全部隊をウクライナ領土から引き揚げてからだと主張するウクライナは中国の提案に対して、ロシアが旧ソ連崩壊以降に定められた国境線まで下がるべきだと言及しなかったと異議を唱えた。ただその後、この提案の幾つかの部分については前向きに考える姿勢も示した。

ロシア側は中国の提案を検討すると表明しつつも、今のところ和平実現の兆しはないとしている。

米国は、中国は自らを中立的であると示し、和平を求めながら、同時にこの戦争に関するロシアの「作り話」を受け入れて非軍事的支援を行い、軍事支援も検討していると批判した。

NATOは、中国はウクライナ問題で仲介者として大きな信頼は置けないと述べた。

◎中国の演じる役割

専門家の見立てでは、サウジ・イランの場合と違って中国がロシアとウクライナを和平交渉の場に引き出すのは難しそうだ。

スティムソン・センターの中国プログラムディレクター、ユン・スン氏は「サウジとイランは実際に対話と関係改善を望んでいるが、ロシアとウクライナは少なくとも今のところそうではない」と指摘する。

ただユン氏は、習氏が裏方として働きかけ、現時点では期待できないロシアとウクライナの対話に向けた気運を生み出す可能性はあるとみている。

とはいえ、昨年の戦争開始の数週間後にトルコがイスタンブールにロシアとウクライナの代表を招いて話し合いを促したが何も実りがなかったことは、歩み寄りがいかに困難かを浮き彫りにしている。

◎中国が行使できる手段

何人かの専門家は、中国はトルコに比べて仲介者として有利な要素があると話す。それはロシアに対する影響力がより大きいという点だ。

中国はロシアにとって最重要の同盟国で、これまでロシア産原油を購入し、西側が門戸を閉ざしたロシア製品に市場を提供してきた。

さらに中国はウクライナにも一定の影響力がある。オックスフォード大学のロシア専門家、サミュエル・ラマニ氏は、ウクライナとしても戦後の復興局面で中国から支援を受けられるチャンスを台無しにしたくはないはずだと述べた。

ラマニ氏は、2014年のロシアによるクリミア併合以降、中国はウクライナとの貿易を拡大しているし、クリミアをロシア領として承認をしていないとも説明した。

「最も大事なのは、ゼレンスキー氏が中国をことさら挑発してロシアに武器供与をし始める事態を望んでいないということだ」といいう。

◎中国は誠実な仲介者たり得るか

ロシアと強い結びつきがある中国だけに、仲介者として振る舞っても大いに疑いの目を向けられるだろう。ウクライナ侵攻開始の直前、中国とロシアは「無制限」の友好関係にあると宣言していた。

中国は戦争開始以後ずっと和平を提唱しているものの、おおむねロシアの立場を尊重している。つまりNATOが東方拡大路線でロシアに脅威を与え、西側がウクライナに戦車やミサイルを供与することで戦争が激化したという主張だ。

ジャーマン・マーシャル財団のアンドルー・スモール上席研究員は、中国は和平の取り組みに参画しているとみなされたがっているが、ロシアとの関係を犠牲にしてまでプーチン氏に戦争をやめるよう迫る用意はないと分析。「中国は今のところロシアに圧力をかけたり、何かを強制的にさせたりはしていない」と述べた。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます