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アングル:米共和党予備選、トランプ氏・対抗馬ともに不安要素

発行済 2023-03-31 15:22
更新済 2023-03-31 15:29
© Reuters.  3月29日、2024年米国大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争いは、数カ月前から2人の一騎打ちになると見られていた。トランプ前大統領と、以前からトランプ氏に勝つならこ

[29日 ロイター] - 2024年米国大統領選挙に向けた共和党の候補者指名争いは、数カ月前から2人の一騎打ちになると見られていた。トランプ前大統領と、以前からトランプ氏に勝つならこの人だけと見られてきた新星、フロリダ州のロン・デサンティス知事だ。

ところが、デサンティス氏が外交政策について失点を重ねる一方で、トランプ氏はこのところ、かつて忠実な支持者の一部を離反させた「怒りの政治」に似た過激な政治姿勢への傾斜を強めている。共和党のストラテジストや同党への献金者らは、まだほんの序盤戦にもかかわらず、候補者指名争いの不確実さが浮き彫りになっていると話す。

トランプ氏と、まだ出馬を表明していないデサンティス氏の2人が依然として指名争いの最有力候補であることに変わりはないが、どちらも弱点を露呈している。これは、両者の間で長く厳しい激戦が続くだけでなく、共和党の有望な人材にもチャンスがあることを意味している。

デサンティス氏によるウクライナ関連発言の迷走、トランプ氏に対する司法当局による複数の捜査は、今年の予備選挙が「膨大な不確実性に満ちている」ことを意味する――これが、かつてデサンティス氏のもとで世論対策を担い、現在は共和党のストラテジストを務めるウィット・エアーズ氏の見立てだ。「指名の行方はまだまったく読めない」

近年の共和党予備選の状況を思い起こせば、展開の予想がいかに困難かは分かる。かつてテレビのリアリティー番組で人気をはせたトランプ氏は、当初は泡沫候補扱いされたが、衝撃的な躍進を果たして2016年の候補指名を勝ち取った。2008年の予備選を勝ち抜いたのはジョン・マケイン上院議員だが、その数カ月前には選挙資金が底を突き、世論調査会社からも相手にされていなかった。

デサンティス氏は、昨年11月に地滑り的な勝利でフロリダ州知事に再選されたばかりだ。保守文化を守る闘士として全国的な存在感を高めており、教室において性的指向と性自認について教えることを州として禁じ、リベラル層を憤激させた。

世論調査やインタビューにおいて、多くの共和党員がトランプ氏に代わる選択肢を求める中、このところ新著のPRのために全国を回っているデサンティス氏は、「自分なら保守的な優先課題を実現できる一方で、トランプ氏のような司法当局とのトラブルや、権力内部での陰謀、敗北の歴史はない」というメッセージを打ち出している。

ところが先週、デサンティス氏はロシアによるウクライナへの侵攻は単なる「領土紛争」にすぎないと発言し、後に発言の軌道修正を強いられた。いわゆる「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」の孤立主義的な共和党支持層にアピールする試みだったが、これが大きく裏目に出て、党内からも多くの非難を浴びた格好だ。

トランプ氏もこのところ、デサンティス氏への攻撃を強めているが、デサンティス氏自身はおおむね反撃を自制している。一方でトランプ氏は、2016年にポルノ女優に口止め料を支払った疑惑を捜査しているマンハッタン地区検察に起訴される可能性をめぐり広範な抗議行動を呼びかけ、起訴された場合は「死と破壊」が起こると警告していた。

デサンティス氏のウクライナに関する発言と、かつての盟友に対するトランプ氏の攻撃の激化は、富裕層の献金者など一部の共和党員をうろたえさせている。こうした人々から見れば、トランプ氏は2024年の本選挙を勝ち抜くにはイメージが傷つきすぎており、デサンティス氏が候補指名を受ける方が望ましい。

長年にわたって共和党に献金してきた2人の資産家はロイターの取材に応じ、デサンティス氏の発言は国政経験の乏しさを露呈するもので、大統領選に向けてプライムタイムのメディアに出演する準備ができていないのではないかと懸念している、と語った。

金属産業の有力者で共和党に献金しているアンディ・セービン氏は、2016年と2020年にはトランプ氏を支持したが、今回、共和党の予備選挙での献金先は「トランプ氏以外なら誰でも」の予定だという。

セービン氏は昨年、デサンティス氏のフロリダ州知事再選のために5万5000ドルを献金したが、ウクライナに関する発言を聞いて支持がぐらついたとロイターに語った。「あれは感心しない。今後の推移を見極めたい。私の判断に大きく影響するだろう」

共和党のストラテジストで、以前からずっとトランプ氏を批判してきたサラ・ロングウェル氏は、共和党支持者たちを対象としたフォーカスグループ調査を定期的に実施してきた。

「デサンティス氏がどこまで行けるか、誰もが確信を持てないというのが現状だと思う」

デサンティス氏に近い関係者は、センシティブな話題ゆえに匿名を希望しつつ取材に応じ、同氏は大統領選出馬に向けて「最後までやり遂げる」つもりだという。デサンティス氏の陣営では、トランプ氏の攻撃はレースが本格化する前にデサンティス氏を追い出そうとする試みだと捉えている、とこの関係者は語った。

<トランプ流のメディア操作>

このところトランプ氏は、近日中にも逮捕されそうだと公然と口にすることでニュースに頻繁に登場しており、予備選挙に関する全国規模の世論調査のいくつかにおいて支持率を高めていた。トランプ氏はこれまでも、メディアに盛んに登場することで自分の支持層をあおり立ててきた。

だが、無党派の政治アナリストであるスチュ・ローゼンバーグ氏は、ほぼ全世界レベルの知名度やメディアの関心、コアな支持層といったトランプ氏の現在のアドバンテージは急速に消えかねないと語る。

政治アナリストによれば、デサンティス氏に対する攻撃は、トランプ氏自身にも跳ね返って来る可能性があるという。トランプ氏は最近2回行われた集会でデサンティス氏を嘲笑したが、詰めかけた熱狂的なトランプ支持者はほとんど反応しなかった。

複数の政治アナリストは、指名争いにおける有力候補2人に弱点があるだけに、共和党の他の有望な人材にも参戦のきっかけがあるかもしれないと語る。

著名な候補者として唯一公式に出馬を表明しているトランプ政権時代のニッキー・ヘイリー前国連大使と、トランプ政権で副大統領を務めたマイク・ペンス氏は、ウクライナに関する発言についてデサンティス氏を批判している。

不安定さがあるとはいえ、現時点では、トランプ氏とデサンティス氏の2人が有力候補であることに変わりはない、と語るのは、共和党の献金者でロビイストであるデビッド・タマシ氏。

これまではトランプ氏を支持したが今回は違うと言うタマシ氏は、「2人の候補が、総投票数の75-80%を獲得するだろう」と語る。「どちらが有利になるか、卓球のように行ったり来たりになる」

(Tim Reid記者、Alexandra Ulmer記者、James Oliphant記者、翻訳:エァクレーレン)

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