[米大統領専用機上/ワシントン 20日 ロイター] - 米ホワイトハウスのダルトン報道官は20日、米兵士が韓国と北朝鮮の軍事境界線を越境し北朝鮮に拘束されたとみられる問題で、米政府は「複数のチャンネル」を通じ北朝鮮軍に連絡を取っていると明らかにした。兵士の安否と所在も確認中とした。
米軍のトラビス・キング兵士は18日、板門店の共同警備区域(JSA)を見学する民間ツアーに参加していた際、「故意に無断で南北軍事境界線を越え、北朝鮮側に入った」という。同兵士は数カ月前に暴行事件を起こし、警察車両を損壊したとして、韓国の裁判所から罰金を科されていたことが裁判資料から分かっている。
米国防総省の報道官は20日、キング兵士が生存しているかという質問に対し、「どこに拘束されているのかも健康状態も分からない」とし、何ら状況は分からないとした。
ウォーマス米陸軍長官は、北朝鮮側が兵士をどのように扱っているか懸念しており、米政府は国連のコミュニケーションチャンネルなども活用し、北朝鮮側に連絡を取ることに全力を尽くしていると明らかにした。
兵士が北朝鮮に越境した理由はまだ不明としつつも、米国帰国後に懲戒処分を受けることを懸念していた可能性が高いとし、親北朝鮮派を示唆する情報はないと述べた。