[ワシントン 20日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は19─20日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を5.25─5.50%で据え置いた。据え置きは5会合連続で、全会一致で決定された。
また、同時に発表した金利・経済見通しでは、中央値で年内少なくとも3回の利下げ予想が維持された。
パウエルFRB議長は会合後の記者会見で、年初以降の指標がインフレの「高止まり」を示したものの、「全体的なストーリーは変わっていない」と強調。「インフレは時折、一様でない道を進みつつも2%に向けて徐々に鈍化していく」と語った。
ただ、これらデータはFRBがインフレとの戦いに勝利したという自信を高めるものでもないとも述べた。
利下げ時期の決定は今後入手される一段のデータ次第とし、「慎重に進めたい」という考えを改めて示した。
FOMC後に発表された声明も、インフレが持続的に目標の2%に向かっているという確信が強まるまで、利下げは想定していないと再表明した。
声明はさらに「経済活動は堅調なペースで拡大している。雇用の伸びは引き続き力強く、失業率は低水準にとどまっている」とした。
パウエル議長は労働市場の状況については「良好な状態」とし、コロナ禍前の「2019年の状況に戻りつある」という認識を示した。
金利・経済見通しでは、FRB当局者19人中10人が引き続き年内に少なくとも計0.75%ポイントの利下げを想定していることが示された。昨年12月時点に示された見通しでは、11人が2024年末までに計3回の0.25%ポイント利下げを予想していた。
25年末の政策金利の予測中央値は3.9%と、来年には0.25%ポイントの利下げが3回実施されることを示した。政策金利の長期見通しの中央値は2.6%。前回は2.5%だった。
24年の経済成長率見通しは2.1%。12月時は1.4%だった。25年も前回見通しの1.8%から2.0%に修正された。
FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の見通しは24年末で2.4%、コアPCE価格指数の見通しは24年末で2.6%。12月時点の見通しでは両指数とも2.4%だった。
ペッパーストーンの市場アナリスト、マイケル・ブラウン氏は「FOMCは引き続きインフレが目標に回帰するという一段の確信を得たい考えで、金融上の問題が生じない限り、5月は利下げの『ライブ』会合とはならないだろう」と述べた。
会合後、投資家の間では、最初の利下げは6月に実施されるという観測が強まった。