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テクマトリックス Research Memo(2):売上高、利益ともに過去最高を更新、売上高は初の200億円越え

発行済 2016-07-06 15:27
更新済 2016-07-06 15:33
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■2016年3月期決算

(1)概要

テクマトリックス (T:3762)の2016年3月期の連結決算は、売上高が前期比13.6%増の20,920百万円、営業利益が同22.2%増の1,381百万円、経常利益が同25.4%増の1,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同41.9%増の829百万円となった。
売上高・利益ともに過去最高を更新、売上高は初めて200億円を上回った。


同社の事業は、「情報基盤事業」と「アプリケーション・サービス事業」の2つのセグメントで構成される。
情報基盤事業は、クライアントの情報システム基盤の構築、保守、運用・監視サービスを一貫して提供する。
アプリケーション・サービス事業は、特定市場や特定業界向けにシステム開発、アプリケーション・パッケージ、クラウドサービス、テストツールなど、付加価値の高いアプリケーション・サービスを提供している。


同社はニチメン(株)(現・双日 (T:2768))の営業部門が分社化して誕生した。
したがって、技術・ビジネスの両面で優れたものを発掘する“目利き力”及び“マーケティング力”、レベルの高い“ビジネスオペレーション力”といった商社のノウハウを受け継いでいることが最大の強みとなっている。
例えば、世界中から優れた技術を発掘し、国内に提供している。
事業領域に関しても、総花的に行うのではなく、自社の体力とこれからの市場拡大が見込める事業分野を見極めた上で、医療分野を始めターゲットを絞って事業展開している。
以下に業績の分析や、TMX3.0の進捗などを説明していくが、この強みを十分に活かしていることが理解されよう。


(2)売上高の詳細

2016年3月期売上高をセグメント別に見ると、情報基盤事業が前期比15.0%増の13,852百万円、アプリケーション・サービス事業が同10.9%増の7,068百万円と共に増収となった。
また、TMX 3.0で掲げた2016年3月期の予想と比べると情報基盤事業が0.4%の上振れで、予想とほほ同じ水準で着地した一方、アプリケーション・サービス事業は7.1%の上振れと予想をかなり上回る水準を達成した。


情報基盤事業においては、セキュリティ関連の製品、サービスが好調に推移した。
特に標的型攻撃に代表されるサイバー攻撃の脅威が高まっていることから、次世代ファイアウォールの販売が伸びた。
セキュリティ監視サービスの売上高も2ケタの伸びを示した。
要因としては、民間からの大型受注獲得もさることながら、官公庁からの受注を増やした点が注目に値する。
大手システムインテグレーターや特定の地域で強みを持つシステムインテグレーターとの協業により受注を増やした。
さらに、大型案件に関して直接受注に成功するなど、直販力も強化された。
具体的には、上半期まではマイナンバー導入などに絡む大型案件を数多く受注した。
下半期からは民需、並びに地方自治体や地方の公共機関を中心とした中規模案件の受注が拡大し、通期にわたり、安定した売上高の増加を実現できた。


未知のサイバー攻撃への対応を強化する「振る舞い検知製品」、「セキュリティイベント管理製品」といった新分野のセキュリティ製品は立ち上がりがやや遅れたものの、新分野の製品は顧客への浸透に時間がかかるため、今後、徐々に立ち上がってくるものと見られる。


一方、その他の製品や子会社も堅調に売上を伸ばした。
負荷分散装置及びストレージ製品は、販売がやや頭打ちとなったものの、負荷分散装置は1ケタ台後半、ストレージ製品は1ケタ台前半の伸びを堅持した。
また、子会社のクロス・ヘッド、沖縄クロス・ヘッドの売上高も1ケタ台後半の伸びを確保した。
特に沖縄クロス・ヘッドは通信回線販売企業と提携し、自社開発の主力製品である「nas2cloud」を販売、専用回線とのセット販売によってよりセキュリティを向上させることができる点がメリットとなり、売上を伸ばした。


情報基盤事業の売上高(単体)をストックビジネスと非ストックビジネス(フロービジネス)に分けると、ストックが前期比14.1%増の3,669百万円、非ストックが同27.0%増の6,065百万円で、ストックの割合は前期比2.5ポイント減の37.7%となった。
非ストックが大きく伸びた理由は大型案件が増加したためであり、一時的なものと考えてよい。
また、情報基盤事業の場合、非ストックビジネスによるシステム構築がその後の保守、運用・監視といったストックビジネスに結びつくため、2017年3月期からはストックの割合は従来の40%台に戻ると予想される。
同社は、事業の成長を持続するうえで、ストックの割合は40%程度が理想としている。


アプリケーション・サービス事業においても、すべての分野・子会社で売上高が増加した。
同社が現在最も力を入れている医療分野におけるクラウド化に関しては、計画どおりの順調な拡大が進み、前期比で2ケタの増収となった。
医用画像システム(PACS)クラウドサービス「NOBORI(のぼり)」は、新規契約件数が拡大したうえに、大型受注だけでなく、今まで導入があまり進んでいなかった中・小規模の医療機関からの受注も増えた。
期末の総契約数は前期末比150件増の約450件と、期初予想を達成した。
NOBORIの売上高はクラウド化に伴いサービスの提供期間に応じて按分して計上されるようになったため、システムの売り切り(オンプレミス)に比べるとここ数年は医療分野の売上高は減少傾向にあった。
しかし、2016年3月期は契約施設数の積み上げと拡大によって売上高が増加傾向に転じ、採算面でも計画を上回る改善となった。


また、遠隔画像診断クラウドサービスを提供している子会社の「医知悟」も、需要の高まりに対応し、従来の病院向けに加えて検診施設や病理分野からの受注も拡大し、契約施設数、読影依頼件数、従量課金額ともに増加した。


インターネットサービス分野ではECやスマートフォン、ウェアラブル端末向けのシステム開発などの受注が、従来顧客を中心に引き続き堅調に推移した。
子会社の(株)カサレアルが展開している、オープンソースソフトウェア利用技術者の教育サービスの受注も新卒者、定期開催の技術研修の両面で拡大した。
同社は最先端のIT技術に関する教育サービスを積極的展開しており、同社の高い技術力が評価されていると推察される。


ソフトウェア品質保証分野では、組込ソフトウェアの品質向上、機能安全の必要性が企業に浸透したことから、製造業や金融機関向けのテストツールの販売が好調に推移し、売上高・利益ともに計画を上回り、前期比で2ケタの増加となった。
また、2015年12月にリリースした、米国パラソフトコーポレーションのAPIテスト自動化ツール「Panasoft SOAtest9.9」とサービス仮想ツール「Panasoft Virtualize9.9」も注目されている。
同ツールは、I o Tを含む複雑で高度なITネットワークの連携テストを効率的にできる。
これも“商社の目利き力”によって発掘した新技術が顧客に高く評価されている一例と言えるだろう。


CRM(顧客関係管理)分野ではコンタクトセンターCRMシステムの新バージョン「FastHelp5.1」など次世代製品を発売し、製品力をさらに高めた。
加えて、NTTデータ (T:9613)や伊藤忠テクノソリューションズ (T:4739)といった大手システムインテグレーターとのアライアンスに加え、2016年4月には日本ユニシス (T:8056)とコンタクトセンターCRM製品「Fastシリーズ」の販売代理店契約を締結した。
このように製品・販売網の両方を強化した結果、売上高は前期比で2ケタの伸びを達成した。
さらに、企業の情報システムのクラウド化が進んでいることに伴う案件の増加によって、小規模だけでなく大型のクラウド案件の受注も拡大し、売上増に貢献した。


海外への事業展開にも乗り出した。
2015年10月に締結したトランスコスモス(タイ)との販売代理店契約により、タイを拠点としたASEAN地域での販路構築を図った。


アプリケーション・サービス事業の売上高(単体)をストックと非ストックに分けると、ストックが前期比16.4%増の2,911百万円、非ストックが同7.1%増の3,726百万円となり、ストックの割合は同2.1ポイント増の43.9%となった。
中期経営計画で掲げられた、全体の売上高に占めるストックビジネスの割合を2018年3月期には50%にするという目標を達成するには、同社はアプリケーション・サービス事業のストック比率をおよそ60%にする必要があるとしている。
2014年3月のストック比率の対前期比の伸び率は5.5ポイント、2015年3月期は3.0ポイントだったことから、数値的には決してハードルは低くはないものの、大型案件のストック化や、医療分野の契約件数増により達成可能な目標と言えるだろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

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