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SMK Research Memo(3):17/3期上期までは急激な円高の影響で16/3期から一転、減収減益で着地

発行済 2016-12-14 15:39
更新済 2016-12-14 16:00
SMK Research Memo(3):17/3期上期までは急激な円高の影響で16/3期から一転、減収減益で着地
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■業績動向

(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要

2016年10月25日に発表されたSMK (T:6798)の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比19.3%減の31,708百万円、営業利益が同71.0%減の747百万円、経常損失が853百万円、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,079百万円と、好業績だった2016年3月期から一転、減収減益で損失に転落した。
その主な要因は為替だ。
2016年3月期通期の為替レートは1米ドル120.47円程度だったが、100円近くまで急激に円高が進行し2,021百万円に上る為替差損を計上した。


為替の影響を除いた業績においては、特に米国市場で想定外の悪影響が重なり、これが下押し要因となったようだ。
CS事業部では主要なターゲット市場となるインフォメーションテクノロジーにおいて、米国のスマートフォンメーカーの生産調整の影響を受けた。
また、FC事業部では主力のリモコン事業において、米国市場で期待が高かったセットトップボックス向け高機能の新規リモコンの納品が第3四半期以降にスライドした影響が大きい。
TP事業部においても、完成品メーカーに直接納入する米国の一次サプライヤーが在庫調整を行い、納品がストップする事態となった。


一方で、インダストリー市場において前期に販売を開始したヘルスケア向けの新しいコネクタが前年同期比で2倍以上に伸びたほか、カーエレクトロニクス市場において車載カメラ用コネクタも好調を維持。
こうした好材料のほか生産性の向上も寄与し、営業利益については2016年7月26日に発表した修正業績予想を上回った。


(2)財務状況

2017年3月期第2四半期末時点での総資産は、2016年3月期末と比較し3.5%減の65,255百万円となった。
主な減少要因は、流動資産について、商品及び製品などが減少して36,948百万円となったこと、及び固定資産について、有形固定資産などが減少して28,306百万円となったことである。


一方負債は、2016年3月期末と比較し6.6%増の36,579百万円となった。
流動負債が支払手形及び買掛金や短期借入金が増加したことが要因だ。
長期借入金は548百万円減少しているため、固定負債は減少している。
純資産は2016年3月期末と比較し13.9%減の28,676百万円となった。
これは利益剰余金及び為替換算調整勘定がそれぞれ減少したことによる。


流動比率は2016年3月末の143.9%から123.7%へと減少したほか、自己資本比率も同様に48.8%から43.6%と減少し、短期的・長期的な経営の安全性が低下した。
ただし、流動比率は100%を超えているうえ、自己資本比率も高水準を維持しているため、財務体質には大きな問題はないと言えるだろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 香川 大輔)

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