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ウィルグループ Research Memo(3):売上高は全てセグメントで2ケタ増収を達成

発行済 2016-12-19 15:30
更新済 2016-12-19 15:33
ウィルグループ Research Memo(3):売上高は全てセグメントで2ケタ増収を達成
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■業績動向

(1) 2017年3月期第2四半期累計の業績概要

ウィルグループ (T:6089)の2017年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比40.3%増の27,872百万円、営業利益が同3.8%減の591百万円、経常利益が同3.6%減の594百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同9.3%増の286百万円となり、いずれも期初会社計画を上回って着地した。


旺盛な人材派遣需要に加えて、「ハイブリッド派遣」を強みとしたインストアシェアの拡大、前期に実施したM&A効果などにより、売上高はすべての事業セグメントで2ケタ増収となるなど好調に推移した。
営業利益が減益となったのは、業容拡大に対応するための積極的な人材採用を進めたことにより、人件費や研修費、採用費等が増加したこと、情報化投資やM&A実施に伴う減価償却費、のれん償却額の増加に加えて、前年同期の業績に寄与した高採算案件が当期は無かったことなどが要因だ。
EBITDAベースで見れば、前年同期比8.0%増益となっている。


2016年9月末の従業員数は、前期末比212名増加の1,141名となった。
このうち新卒社員は113名と前年の84名から3割強増加している。
また、中途採用で54名、M&Aにより45名が増加しており、ほぼ当初計画どおりの人員採用を実現した。
人材派遣業界においても人材の確保が重要な経営課題となるなかで、計画通りの採用ができたことは注目される。


同社の業績を四半期ベースで見ると、第1四半期が通期を通して最も低く傾向にある。
これは新卒社員の教育研修費が第1四半期に偏ることや、これら社員が戦力化してくるのが第2四半期以降となることが要因となっている。
2017年3月期は新卒社員を大量採用したこともあり、第1四半期の落ち込みが大きかったが、第2四半期の営業利益は前年同期比で36.3%増の474百万円と急回復しており、四半期ベースでの最高益を更新している。


なお、2017年3月期に入ってからのM&Aとしては6月にマレーシアの人材サービス会社、Asia Recruit Holdings Sdn. Bhd.の株式を約133百万円で60%取得し、子会社化している。
年間売上高は100〜200百万円程度と小さいが、同社ではシンガポール子会社から人員を派遣して、日系企業の顧客開拓を進め規模を拡大していく予定となっている。


(2)事業セグメント別動向

a)セールスアウトソーシング事業
セールスアウトソーシング事業の業績は、売上高が前年同期比25.9%増の9,414百万円、セグメント利益が同4.0%減の560百万円となった。
2015年8月に子会社化したクリエイティブバンクの業績がフル寄与したことにより、増収増益要因となっている。
既存事業についても堅調に推移した。
主力の携帯電話販売については、通信キャリアの販売施策変更や携帯電話販売代理店が販売効率化を進めるなかで市場全体としては低迷したものの、同社はインストアシェアの拡大が進んだことや、低価格スマホなどMVNO事業者向けの新規案件が増加したこと等により、前年同期比微増収となった。
また、売上規模は小さいもののアパレル向けが前年同期比で2.8倍増、官公庁向けが同6割増とそれぞれ新規案件の獲得により順調に拡大していることも増収に寄与した。


利益面では前年同期に寄与した高採算の業務請負案件が終了したことや、業容拡大に伴う人件費や採用費の増加が減益要因となっている。
なお、四半期ベースで見ると第1四半期は減益となったが、第2四半期は前年同期比で31%の増益となっている。
クリエイティブバンクとのシナジーとしては、クリエイティブバンクが従来、外注していた派遣スタッフを同社からの派遣に切り替えることでコスト低減を図っており、クリエイティブバンクの収益力強化に寄与している。


b)コールセンターアウトソーシング事業
コールセンターアウトソーシング事業の業績は、売上高が前年同期比29.8%増の6,012百万円、セグメント利益が同5.5%増の297百万円となった。
スマートフォンの普及拡大や高機能化を背景に、端末の動作説明やサービス内容の説明等アフターサービスを行うオペレーターの需要が引き続き旺盛ななかで、インストアシェアを拡大していることが増収要因となっている。
また、ここ最近注力している金融業界向けについても新規案件の獲得が進んでおり2ケタ増収となった。


利益面では、業容拡大に伴う人件費や採用費の増加により、利益率は一時的に低下したものの、増収効果で増益となっている。
なお、四半期ベースで見ると第1四半期は減益となったが、第2四半期は前年同期比で19%増益となっており、売上高では過去最高を更新している。


c)ファクトリーアウトソーシング事業
ファクトリーアウトソーシング事業の業績は、売上高が前年同期比42.7%増の6,520百万円、セグメント利益が同23.7%増の294百万円と主力3事業のなかでは最も大きく伸長した。
総菜やコンビニエンスストア向けのスイーツ、弁当など中食市場の拡大を背景に、食品製造業向けを中心に人材派遣需要が旺盛で、営業拠点を前年同期の15拠点から19拠点に増設し、既存顧客との取引量が拡大したほか新規顧客の獲得も順調に進んだことが高成長の要因となった。
また、売上規模は小さいものの物流業界向けも新規顧客の獲得により、順調に売上高が拡大した。


利益面では営業拠点の拡大を進めたことで、人件費や採用費等が増加したものの増収効果によってカバーし、2ケタ増益を達成した。
なお、四半期ベースで見ると売上高は連続で過去最高を更新しており、利益も前年同期比で2ケタ増ペースで成長が続いている。


d)その他の事業
その他の事業の業績は、売上高が前年同期比86.2%増の5,925百万円、セグメント利益が同86.5%増の82百万円となった。
国内事業については事業拠点の拡大や新規受注の獲得などにより大半の事業が順調に拡大しており、海外事業についてはM&A効果により増収増益となった。


事業別に見ると、介護職派遣については前期から進めている営業拠点数拡大(2015年3月末9拠点→16年3月末26拠点→16年9月末30拠点)による効果で、売上高が急成長した。
利益面ではまだ先行投資の費用負担が重いため若干の損失が続いているものの損失額は縮小している。
オフィス派遣は営業体制を強化したことにより増収増益となった。
また、海外事業は2016年2月に連結子会社化したOriental Aviation International Pte. Ltd.(航空機のメンテナンス会社向け派遣サービス)がフル寄与したことにより増収増益となった。
その他、ALT(外国語指導助手)派遣は首都圏を中心に自治体の英語教育への関心の高まりにより、新規受注を獲得し増収増益に、また、インターネット、IoTベンチャー企業向けに幹部人材を紹介する「NET jinzai bank」サービスも、近年のIPOブームを背景に増収増益となった。


なお、「NET jinzai bank」サービス事業については、経営の意思決定スピードを高めていくこと、並びに業界内でのブランド力を高めていくことで今後、業界No.1を目指すことを目的に2016年9月に分社化し、(株)ネットジンザイバンクを設立している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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