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■フィスコキャンパス銘柄分析レポートVol(5) 伊藤忠<8001>

発行済 2017-01-23 16:17
更新済 2017-01-23 16:33
■フィスコキャンパス銘柄分析レポートVol(5) 伊藤忠<8001>
8001
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3807
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「フィスコキャンパス銘柄紹介レポート」とは、フィスコ (T:3807)のアナリストと現役の女子大学生によって組織された「フィスコキャンパス」による毎月発行の共同レポートである。
アナリストとディスカッションを重ね、キャンパス一期生となる7名が「フレッシュな感性」をもとに1人1銘柄選んだ、計7銘柄をまとめている。



※2016年10月号より抜粋


紹介銘柄:伊藤忠 (T:8001)
キャンパス生:宮地 志歩


「非資源を中心とした成長戦略を進める」


■原油減産同意により資源重視の3大商社は有利に働くと思うのですが、非資源を重視している伊藤忠にもメリットはありそうですか?

非資源に重視しているとはいえ、「エネルギー部門」「化学品部門」の売上比率は依然高いです。
エネルギー部門」は、原油・石油製品・LPG・LNG・天然ガス、電力等、エネルギー関連商品全般のトレード、関連プロジェクトの推進及び石油・ガスプロジェクトの探鉱・開発・生産業務の推進を行う部門。
今回の石油輸出国機構(OPEC)の非公式会合では、原油生産量を制限することで合意。
事実上の減産合意となったことから、原油相場の落ち着きとともに、商品市況全体の落ち着きも期待されてくるとみられます。
OPECは11月30日にウィーンの本部で開く総会で詳細を詰め、正式に生産調整に踏み切る方針です。


それまでに反対の動きなどの懸念が無いわけではありませんが、市況が安定することによるメリットはあります。
また、今後の成長のために非資源を中心に進めていますので、市況が安定すれば、より非資源での成長インパクトが目立つのではないでしょうか。



■ITICに出資したことで会計上の問題や今後もしCITICとうまくいかなかった場合などが危惧されていますが、メリットのほうが大きいために進めたことだと思いますがどうでしょう。


今回、中国中信集団(CITIC)への投資を巡る疑問点や中国食品・流通大手の頂新グループを連結対象から外した会計処理等に対して、空売り専門の米運用会社グラウカス・リサーチ。
グループが、同社の会計処理に疑問を呈したリポートを出したことが話題となりました。
グラウカスは空売りした上で、リポートを出し、株価の下落局面において買い戻して利益を出すといわれています。
今回、日本企業を対象にしたリポートを出すのは初めてだったこともあり、これに困惑した売りにも押されたとみられます。


ただし、その後会社側は決算発表の記者会見の席で否定コメントを発表。
鉢村CFOはグラウカスが指摘した論点について、会計監査を担当するトーマツなどから複数意見を聞き適正意見を得ており、会計処理が適切に行われたと強調。
「事実に基づかずに特定の見解で株価を下落させようとするものだ」と指摘し、法的対応も選択肢の1つだと主張しています。
現状の株価は急落時の7月27日の安値1135.5円を底に、リバウンド基調が継続しており、既に急落前の株価水準を回復しています。



■リバウンドをみせていますが、商社株は出遅れていると思いますが、どうでしょうか。

今回の下落前水準の回復による短期的な戻りに対する達成感は意識されやすいですね。
ただし、おっしゃるとおり、非資源を中心とした成長戦略を進めている点は注目されるほか、PBRは1倍割れ、PERは5倍台です。
また、配当利回りは4%台と高いことも魅力ですね。


テクニカル面の話になりますが、短期的な達成感はあるとしても、週間の形状では長期的な下降トレンドラインの上限をようやく捉えてきたところです。
26週線辺りをクリアしてくると、中期的なトレンド転換が期待できそうです。



※「フィスコキャンパス」とは、現役の女子大学生によって組織されている。
難しいと思われがちな金融・経済の世界を、身近なものに感じていただけるよう、大学生の目線に置き換えて企業や株式市場の情報発信を行うことを目的としている。


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