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全国保証 Research Memo(9):保証債務残高13兆円達成によりトップ地位確立を目指す

発行済 2017-04-28 15:08
更新済 2017-04-28 15:33
全国保証 Research Memo(9):保証債務残高13兆円達成によりトップ地位確立を目指す
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■新中期経営計画

全国保証 (T:7164)は、2018年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画「Best route to 2020」を公表した。
前回の中期経営計画と大きな方向性の違いはない。
「住宅ローン保証事業におけるトップ地位確立」をスローガンに掲げ、1)事業規模の拡大、2)企業価値の向上、3)事業領域の拡大(長期的課題)に取り組む方針である。
特に、保証債務残高13兆円を達成することにより保証債務残高No1の企業を目指すところに強いメッセージを打ち出すとともに※、2020年3月期の保証債務残高でシェア8%、新規住宅ローン取扱いでシェア11%と着実な市場シェア向上を目指している。


※保証債務残高の上位企業には大手銀行系の保証会社がランキングされている。



また、2020年3月期の目標として、営業収益45,100百万円(3年間の平均成長率8.0%)、営業利益33,510百万円(同6.7%)、経常利益34,410百万円(同6.5%)、当期純利益23,690百万円(同7.3%)を掲げている。


好調な外部環境(低金利政策や住宅市場の堅調な推移、良好な雇用環境など)が継続する想定のもと、保証債務残高の拡大が業績の伸びをけん引する想定である。


また、費用面においては、与信関連費用は保証債務残高の伸びに伴って増加する想定となっている。
最低水準となった過去3期と比べると費用増加要因となっているが、それでも低位に推移する前提と捉えるのが妥当だろう。
また、その他費用においても、システム投資にかかる費用増が想定されるものの、システム化に伴う業務の効率化の推進により、人件費やその他経費に大きな増加は見込んでいないようだ。


一方、財務面でも、利益成長に伴う内部留保の積み増しにより、財務基盤はさらに強化される見通しである。
半面、資本効率を示すROEは高い水準を維持しつつも、2020年3月期には17.1%へ緩やかに低下する想定となっている。
資本の充実は、保証事業拡大のための優先事項であるものの、中長期的な視点からは資本効率を意識した動き(株主還元の充実や新規事業への投資など)にも注意が必要だろう。


なお、計画達成に向けた基本方針の概要は以下のとおりである。


(1) 事業規模の拡大
1)未提携金融機関との新規契約締結、2)金融機関との関係強化に向けた付加価値向上の取組み、3)業務効率化による収益性の向上に取り組む。
特に、保証債務残高の拡大のカギを握る2)については、顧客満足度の追求により利用率の向上(顧客内シェアの拡大)を目指す。
具体的には、タブレット等を活用した営業支援システムの導入によるアプローチ強化やネット経由等による保証案件獲得チャネルの多様化、審査オペレーションの強化によるスピード回答の実践に加え、金融機関とのシステム連携による利便性の向上に注力する方針である。


(2) 企業価値の向上
1)活力ある企業風土の醸成(働き方改革、新人事制度、新評価制度)、2)システム利用による業務の効率化推進、3)内部統制システムの機能強化・充実、4)財務基盤・株主還元の強化に取り組む。
特に、1)については女性の活躍推進などによるダイバーシティの促進を図る。


(3) 事業領域の拡大(長期的課題)
長期的な視点により、本業と相乗効果のあるビジネスモデルの模索・検討を進める。
特に、730を超える提携金融機関とのネットワークのほか、これまで蓄積してきた保有データ量や住宅ローン業務ノウハウ(審査、債権管理など)、独立系企業であることなどの同社の強みを生かして、住宅ローン保証事業と相乗効果を生み出す新たな事業について検討していく方針である。
具体的には、これまで外部委託していた関連事業の内製化や住宅ローン以外の保証業務の拡大などが考えられる。
M&Aや他社との提携の可能性も視野に入れ慎重に検討を重ね、この中期経営計画の期間中に第2の柱となる事業についての検討を進めるようだ。


弊社では、好調な外部環境や同社の優位性から判断して、中期経営計画の達成は十分に可能であると評価している。
特に、保証債務残高の拡大のためには、大型銀行など既存提携金融機関との取引拡大が最も重要であるとみているが、前述した同社施策(システム連携などによる利便性の向上)が利用率の向上(顧客内シェアの拡大)に結び付く可能性は高い。
加えて、これまでグループ内の保証会社を利用してきた金融機関にとって、リスク管理の強化や業務効率の向上は今後益々重要な経営課題になるものと想定され、同社を活用するインセンティブ(メリット)は高まる方向にあると考えられる。
それが顕在化してくれば、各銀行における顧客内シェアも拡大に向かい、同社の成長余地は非常に大きい。


また、政府の後押しが期待される中古住宅・リフォーム市場の拡大についても、同社にとって追い風となる可能性が高い。
特に、中古住宅やリフォームは物件の評価は難しく、銀行のローンがつきにくい分野であるため、同社保証の活用が市場の拡大に貢献するとともに、同社自身の成長に結び付く余地も大きい。


一方、費用面においても、与信関連費用の前提には現時点で合理性があるものの、前回の中期経営計画と同様、更なる与信関連費用の減少が利益計画の上振れ要因になる可能性にも注意が必要である。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

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