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2. 国政選挙で同社の収益が拡大する背景
ムサシ (T:7521)は選挙関連の機材・サービスを総合的に提供するトップ企業であり、事業部門の中心的製品である投票用紙の読取分類機の市場では、シェア約80%と他を圧倒するポジションにある。
そのため、選挙関連事業を担う選挙システム機材部門の売上高は、国政選挙の有無で大きく変動する傾向がある。
国政選挙の有無が収益変動に大きな影響を与える理由は、国の予算から各自治体の選挙管理委員会に選挙実施費用が支払われるためだ。
各自治体はその費用で選挙の機材について新規もしくは更新投資を行う。
選挙関連機材における同社の幅広いラインアップの中でも、収益に特に大きな影響を与えるのが投票用紙の読取分類機だ。
同社はこの装置の市場において約80%という圧倒的シェアを有している。
この装置は選挙機器の中で最も高額な商品であり、各自治体は国政選挙を契機に新規・追加の導入や更新を行う傾向にある。
選挙機器についてはグループ内の子会社で製造しているため、選挙システム機材部門の収益性は、他の事業部門に比較して高い。
したがって、売上高の変動は利益にも明確に反映されている。
同社の他の事業部門は比較的安定的な業績推移を示すことが多いため、選挙システム機材部門の収益変動は、そのまま同社全体の収益変動(特に利益変動)につながる傾向にある。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)