■要約
1.事業領域
MCJ (T:6670)は、PCの製造・販売が現状の主要事業であるが、そこを起点として、マルチデバイス(PC、スマートフォン、VR(バーチャルリアリティ)、ドローン、ウェアラブル等)の提供及び、それらを使用する顧客にソフトウェア、セキュリティ、コンテンツ等のマルチサービスを提供する事を目指している総合IT企業である。
PC及び周辺機器などの製造・販売が中核事業であるが、PCをITガジェットの一部と位置付け、情報へのアクセスや、コミュニケーションツールとしての「入口」であるデバイスの種類拡充を進めている。
さらに、その先にある顧客のサービスニーズを捉え、マルチサービス化を図っている。
これらを実現するために、必要なリソースを積極的なM&Aや事業アライアンスで獲得・展開していく方針である。
現在の事業領域としては、パソコン関連事業と総合エンターテインメント事業の2事業領域だ。
2. 業績動向
2017年3月期の連結決算は、売上高は前期比5.3%増の108,727百万円、営業利益は同44.5%増の7,463百万円、経常利益は同49.6%増の7,503百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は62.9%増の5,030百万円と売上高、利益ともに過去最高を更新した。
主な要因は、国内PC、欧州モニタの販売が好調に推移したこと、高付加価値・特化型のパソコン等の販売が引き続き好調だったこと、主要子会社全社が前期比増益を記録したことなどである。
好業績を反映したことに加え、配当性向方針を従来の20%以上から25%以上に引き上げたこともあり、期末に1株当たり26円の配当(前期比13円増)を行っている。
連結対象の主要子会社5社の業績を見ると、5社すべてが前期比増益落着となり、グループ業績向上に貢献した。
2017年4月には社長交代があり、高島勇二氏は代表取締役会長兼CEOに、取締役社長兼COOには安井元康氏が就任した。
ツートップ経営による事業拡大への総合力がさらに高まることが期待される。
同社が発表した2018年3月期の連結業績予想では、売上高が前期比5.7%増の114,953百万円、営業利益が同7.2%増の8,000百万円、経常利益が同6.8%増の8,013百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%増の5,470百万円である。
同社によると、国内PC市場については良くても横ばいとの想定だが、引き続きTVCM等の広告宣伝効果による認知度向上策などによるマーケットシェアの拡大を期待して、従来よりも高めの売上高成長率を設定したとのことである。
なお、上記業績見通しは基本的には既存事業の積み上げベースでオーガニックグロースの目標値であり、M&A等の影響は考慮していない。
利益項目についても、基本的には既存事業の延長線上の積み上げで「前期以上」を想定した目標値である。
3. 中期経営計画
配当性向方針を25%以上に引き上げた以外は、中期経営計画の基本方針などについては特に変更はなく、引き続き「取扱製品(ハード)の拡充」と、「コンテンツ・サービス分野への事業領域の拡大」によって、また、お互いの相乗効果で事業成長を追求する。
M&AやVB投資についても、基本的に年間フリーキャッシュフロー及び手元資金の許容範囲内で積極的に推進するとしている。
同社は好業績に対しても謙虚な姿勢で、今後の事業展開についても決して無理をせずに足元を確認しながら進めていくという堅実な経営方針が一貫しているものと見る。
■Key Points
・2017年3月期は売上高、利益ともに過去最高値を更新、主要子会社全社が前期比増益を達成
・1株当たりの配当金は26円と前期(13円)比倍増。
・中計にて設定した4つの最重要KPIについて、今期全ての目標値を達成。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)
1.事業領域
MCJ (T:6670)は、PCの製造・販売が現状の主要事業であるが、そこを起点として、マルチデバイス(PC、スマートフォン、VR(バーチャルリアリティ)、ドローン、ウェアラブル等)の提供及び、それらを使用する顧客にソフトウェア、セキュリティ、コンテンツ等のマルチサービスを提供する事を目指している総合IT企業である。
PC及び周辺機器などの製造・販売が中核事業であるが、PCをITガジェットの一部と位置付け、情報へのアクセスや、コミュニケーションツールとしての「入口」であるデバイスの種類拡充を進めている。
さらに、その先にある顧客のサービスニーズを捉え、マルチサービス化を図っている。
これらを実現するために、必要なリソースを積極的なM&Aや事業アライアンスで獲得・展開していく方針である。
現在の事業領域としては、パソコン関連事業と総合エンターテインメント事業の2事業領域だ。
2. 業績動向
2017年3月期の連結決算は、売上高は前期比5.3%増の108,727百万円、営業利益は同44.5%増の7,463百万円、経常利益は同49.6%増の7,503百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は62.9%増の5,030百万円と売上高、利益ともに過去最高を更新した。
主な要因は、国内PC、欧州モニタの販売が好調に推移したこと、高付加価値・特化型のパソコン等の販売が引き続き好調だったこと、主要子会社全社が前期比増益を記録したことなどである。
好業績を反映したことに加え、配当性向方針を従来の20%以上から25%以上に引き上げたこともあり、期末に1株当たり26円の配当(前期比13円増)を行っている。
連結対象の主要子会社5社の業績を見ると、5社すべてが前期比増益落着となり、グループ業績向上に貢献した。
2017年4月には社長交代があり、高島勇二氏は代表取締役会長兼CEOに、取締役社長兼COOには安井元康氏が就任した。
ツートップ経営による事業拡大への総合力がさらに高まることが期待される。
同社が発表した2018年3月期の連結業績予想では、売上高が前期比5.7%増の114,953百万円、営業利益が同7.2%増の8,000百万円、経常利益が同6.8%増の8,013百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%増の5,470百万円である。
同社によると、国内PC市場については良くても横ばいとの想定だが、引き続きTVCM等の広告宣伝効果による認知度向上策などによるマーケットシェアの拡大を期待して、従来よりも高めの売上高成長率を設定したとのことである。
なお、上記業績見通しは基本的には既存事業の積み上げベースでオーガニックグロースの目標値であり、M&A等の影響は考慮していない。
利益項目についても、基本的には既存事業の延長線上の積み上げで「前期以上」を想定した目標値である。
3. 中期経営計画
配当性向方針を25%以上に引き上げた以外は、中期経営計画の基本方針などについては特に変更はなく、引き続き「取扱製品(ハード)の拡充」と、「コンテンツ・サービス分野への事業領域の拡大」によって、また、お互いの相乗効果で事業成長を追求する。
M&AやVB投資についても、基本的に年間フリーキャッシュフロー及び手元資金の許容範囲内で積極的に推進するとしている。
同社は好業績に対しても謙虚な姿勢で、今後の事業展開についても決して無理をせずに足元を確認しながら進めていくという堅実な経営方針が一貫しているものと見る。
■Key Points
・2017年3月期は売上高、利益ともに過去最高値を更新、主要子会社全社が前期比増益を達成
・1株当たりの配当金は26円と前期(13円)比倍増。
・中計にて設定した4つの最重要KPIについて、今期全ての目標値を達成。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)