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サンリツ Research Memo(4):梱包技術を核に総合物流化、そして3PLや国際物流の分野にも進出

発行済 2018-06-21 15:04
更新済 2018-06-21 15:20
サンリツ Research Memo(4):梱包技術を核に総合物流化、そして3PLや国際物流の分野にも進出
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■事業概要

3. 梱包技術を核としたサンリツ (T:9366)事業の特徴
こうした梱包技術に倉庫や輸送の能力を融合することで、同社はトータルサポートを実現している。
倉庫事業では、一般的な保管サービスの提供ばかりでなく、工作機械など大型貨物の梱包に必要な大型走行クレーンなどの諸設備も有している。
作業環境の面では、トラックヤードに設置した屋根によって雨天でも積み込みや積み下ろしの作業が可能になったり、庫内は一般事務所に劣らない照度や空調を完備していたりと、作業する人にとって非常に快適である。
しかも、24時間フルタイムの管理・警備体制を敷いている。
また、流通加工において、同社は医療機器製造業、修理業の許可を取得しており、輸入医療機器の受入検査や保管、出荷という物流業者にとって難易度の高い業務も行うことができる。
一方、運輸事業では、制御機器や通信機器、計測器、医療機器などエレクトロニクス関連の製品を中心に、拠点間を低コストで安全確実に輸送しており、協力会社のサポートで全国配送も可能である。


トータルサポートを突き詰めると、3PLや国際物流の分野へと事業は発展していく。
同社は梱包事業を主軸とした3PLも展開している。
3PLとは、顧客に対して物流改革の提案を行い、物流業務を包括的に引き受ける事業のことで、まさにトータルサポートそのものである。
しかも、自社内での梱包、保管、在庫管理、保税通関、最終ユーザーへの配送ができる。
このように、高度な梱包技術と包装設計から配送までの一気通貫性に特徴があることから、大手物流他社のような自らの物流機能に合わせたパッケージ販売ではなく、あくまでも顧客ニーズに最適化した物流サービスを提供することができるのである。


特に横浜と成田において、同社は保税蔵置場と通関事務所を構え、保税蔵置場には梱包工場を併設している。
そこでは、梱包から保税蔵置・通関、港湾・空港への輸送までを自社で対応しており、あらゆる輸出ニーズにもきめ細かく丁寧かつスピーディに対応することができる。
しかも、NVOCC(外航利用運送事業者)として船会社からスペースを買い取っており、目的地まで責任ある輸送サービスも提供することができる。
こうした同社の国際物流の利便性に対する顧客の評価は非常に高い。



梱包業界のみならず全業界的リスクの人手不足への対応
4. 物流業界の課題と同社の対処
物流業界ばかりでなく日本経済全体に、近年急速に圧し掛かる重く大きな課題が人手不足である。
人件費が上下することは景気の波に応じこれまでもあったが、人手そのものがボトルネックになる時代が来るなどとは、これまで誰も考えもしなかったことである。
それが、各業界において現実的なリスクになってきたのである。
同社の場合、倉庫貸しだけでなく庫内作業のサービスも提供しているため、一定の人員数は必要である。
しかし、以前であれば派遣社員や契約社員を容易に集めることができたが、現在では集めること自体が難しくなってきた模様である。
これは東京など大都市に限らず、地方でも同様の傾向が出ているようだ。
背景に、長く続く好景気に加え少子高齢化の影響が顕在化してきたことがあるように思われる。
景気は良い時も悪い時もあるが、少子高齢化要因については、超長期的に継続することを前提に経営しなければならないだろう。


同社にも当てはまる一般論としての対策として、外国人研修生の受け入れがある。
同社の場合であれば梱包技術の研修ということになるだろう。
3年という短い受け入れ期間ではあるが、当初1年は技術を習得するのに手いっぱいと思われるため、残りの2、3年目で、彼らのスキルアップとともに同社の収益にもわずかながら貢献できるのではないかと思われる。
既に食品製造業などでは、外国人研修生をビジネスに組み込んでいる企業が多いと言われている。
加えて、言われて久しいシニア層の活用も本格化する気配を見せている。
同社の場合は、作業を大型梱包など重作業と中小型の中軽作業に区別することで、中軽作業をシニアに任せるなど作業の効率化も可能となりそうである。


働き方改革によって長時間労働を縮小しても、一般に生産性向上だけではカバーできず、人員数の増加も必要となろう。
同社の梱包は非定型など難易度の高いものが多く、高い技術を持った人手による高品質を維持する必要がある。
本来付加価値の高い作業と言うことができることから、同社は低採算案件の見直しを進め、採算改善を進めることが対策になっている(交渉によっては商売を打ち切る可能性もある)。
また、むやみに売上げを取りにいくと仕事量が増えるだけで、同社作業の特性上、スキルやチームワークにも問題が生じてしまうことがある。
このため現在、売上げを追う営業はなるべく抑えた方がいいのかもしれない。
なお、人手に絡んで輸送コストの上昇も懸念されるが、同社の場合、自社所有トラックが24~25台と少ないため直接的な影響は小さいと思われる。
仮に傭車費用が上昇しても、価格に転嫁しやすい仕組みになっている。



最新のマテハン「AutoStore」を導入、人手不足対策にも効果
5. 「AutoStore」
同社は最新のマテハンと言われる、自動ロボット制御ピッキングシステム「AutoStore」を導入した。
主要顧客で長期的パートナー契約を締結しているボストン・サイエンティフィック ジャパン(株)(以下、ボストン社)の取扱量が、計画を上回るピッチで増えている。
このため、限られた倉庫スペースで高い保管効率を得る必要が生じたことが、導入の動機である。
もちろん、人手不足や労働集約型ビジネスの課題解決へ向けた動きの1つでもある。
効果としては、ボストン社のオランダでの実績と同水準の保管効率35%向上、庫内作業の省力化と作業環境の向上、ボストン社基幹システムとの連携による製品単位の在庫管理などが期待される。
4月に竣工式を行い試験稼働を開始、6月中に本稼働を予定している。
投資額は6億円で12~13年で回収を予定しているが、今後さらに搬入・搬出工程の自動化も計画している。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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