米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「金利は中立金利に近く、利上げを続けることは景気の減速を引き起こすかもしれない」と述べたことで金利上昇リスクが緩和し、ダウ平均は大きく上昇した。ダウ平均は2.50%高、 S&P 500は2.34%高、ナスダック総合指数 は2.95%高となった。
数ヶ月間、市場はFRBが金融引き締めに拍車をかけ、経済成長が鈍化することを恐れていた。しかし、パウエル議長は、金利が中立金利を「わずかに下回る」と述べて、こうした懸念を和らげた。パウエル議長は、「金利は歴史的な標準からみれば依然として低く、景気に中立的なレベルと見られる範囲からわずかに下にある。すなわち経済成長のスピードアップもスローダウンもない状態ということだ」と述べた。
金融政策以外でも、株式市場はセールスフォースを含むクラウド企業を中心としたテクノロジーセクターの上昇に支えられた。
セールスフォース・ドットコム(NYSE: CRM)は、売上も純利益も市場予想を大きく上回り、10%上昇した。クラウドソフトウェア企業であるニュータニックス(ナスダック: NTNX)は、第1四半期の決算がアナリストの予想をわずかに下回ったが、株価は5%上昇した。
一方エネルギーセクターは、エネルギー情報局(EIA)が公表した予想を上回る原油在庫量によって石油価格が下落したが、これを無視して上昇した。
経済指標では、第3四半期GDPが発表されたが、予想を下回る3.5%となった。また、新築住宅販売戸数も予想を下回り、住宅市場の減速が続いていることを示した。
しかし、株式市場の大幅な上昇が住宅系指標の悪い結果から住宅建設会社の株価を守った。KBホーム (NYSE:KBH)、 レナー (NYSE:LEN) 、DRホートン(NYSE:DHI)は1%以上上昇した。
みずほ証券アナリストのVijay Rakesh氏が「過剰在庫が減少しているため、GPUの価格が9月の安値から回復し始めている」と発表した後、エヌビディア(ナスダック:NVDA)は4%上昇した。