複数の仮想通貨に採用されている「プルーフ・オブ・ステーク」(Proof Of Stake、PoS)という合意形成のためのアルゴリズムに脆弱性が発見されたと、米イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の学生チームが構成する「Decentralized Systems Lab 」(分散型システムラボ)が記事投稿サービスのミディアム(Medium)上で22日公開した。
プルーフ・オブ・ステークとは元々、ビットコインなど多数の仮想通貨に採用されている「プルーフ・オブ・ワーク」(Proof Of Work、PoW)というアルゴリズムの直面するいくつかの課題解決のための代替案として考案されたものだ。
現状、該当する仮想通貨は計26以上あるとチームは公表している。
プルーフ・オブ・ステークを採用するもっとも時価総額の大きな仮想通貨は時価総額29位(約200億円)のQtum。
続いて時価総額122位のParticl(約26億円)、195位(約14億円)のEmercoinなどが続くが、Qtum以外は基本的に時価総額の小さな仮想通貨となる(時価総額と市場全体における順位は12時時点のコインマーケットキャップ参照)。
研究チームは、ごくわずかな仮想通貨資産を所有するだけでPoS型の仮想通貨のネットワーク参加者を攻撃できる「フェイク・ステーク攻撃」という脆弱性を発見したとしており、また、公開に先立ち影響を受ける仮想通貨の開発チームに2018年10月から開示を行っていた。
このため、対象の仮想通貨の大多数はすでに緩和策を採用しているという。