ビットコインキャッシュ(BCH)について、2019年5月を目標にふたつの技術提案がソフトウェア開発プラットフォームのギットハブ上に発表された。
もしもこの技術提案が実現した場合、取引におけるセキュリティ向上の他、仮想通貨の取引処理をより高速に実行可能にすると期待されるライトニング・ネットワークと呼ばれる技術がビットコインキャッシュでも利用可能になると提案書では主張している。
今回ビットコインキャッシュに提案されているのは、BIP62というビットコイン技術改善案のトランザクション展性(マリアビリティ)の修正完了と、取引の電子署名の際にECDSAシグネチャの代わりにSchnorrシグネチャを使用することも可能とするという2点。
提案書によれば、このアプローチによってビットコインキャッシュにおける通常取引でペイメント・チャネル(特定の二者間で行う複数の取引をひとつに集約してブロックチェーン上に記録できる機能)やアトミック・スワップ(異なる仮想通貨同士を仲介者なしに取引できる機能)が行える。
また、必要に応じてライトニング・ネットワーク形式の取引も可能になるとする。
ライトニング・ネットワークは、ビットコインの取引処理能力を高めて機能的でより利用しやすいものとして広く普及するための技術向上施策として現在進行形で導入が進んでいる。
2017年にビットコインから分裂したビットコインキャッシュも、大元の仕組みはビットコインと同様であるためビットコイン本体のための技術改善施策を参照できるという利点がある。
5月時点で改善案導入が完了できるか、また今回の施策導入によって実際にライトニング・ネットワークが機能するようになるかを含めて今後の動向が注目される。