日経平均は4日ぶり小幅反落。
8.39円安の20875.38円(出来高概算6億株)で前場の取引を終えている。
4日の米株式市場でNYダウは175ドル高と続伸。
朝方は売りが先行する場面もあったが、アップルなどのハイテク株を中心に買われ、ナスダック総合指数は1%を超える上昇となった。
為替市場では前週末に発表された米1月雇用統計を受けたドル買いが続き、一時1ドル=110円台まで円安が進行。
本日の日経平均はこうした流れを好感して76円高からスタートすると、寄り付き直後には20981.23円(97.46円高)まで上昇する場面があった。
しかし、節目の21000円手前では引き続き戻り売り圧力が強く、個別株でも月次売上を発表したファーストリテ (T:9983)、業績下方修正のパナソニック (T:6752)などが軟調とあって日経平均は失速し、前日終値近辺でもみ合う展開となった。
ただ、東証1部の値下がり銘柄は全体の3割弱にとどまっている。
個別では、前述のファーストリテが3%安で前場を折り返し、日経平均を約59円押し下げた。
国内「ユニクロ」の1月既存店売上高が前年同月比1%減と振るわなかった。
パナソニックや任天堂 (T:7974)、ZOZO (T:3092)も3%前後の下落となり、その他売買代金上位ではソニー (T:6758)、武田薬 (T:4502)、ソフトバンクG (T:9984)などがさえない。
決算発表銘柄ではイビデン (T:4062)やケーズHD (T:8282)が大きく売られ、東証1部下落率上位に顔を出した。
一方、通期決算発表の花王 (T:4452)やキーエンス (T:6861)、村田製 (T:6981)、SUMCO (T:3436)といったハイテク株が堅調。
トヨタ自 (T:7203)もしっかり。
ヤフー (T:4689)は決算や長期見通しを受けて商いを伴い急伸し、JCU (T:4975)などが東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、石油・石炭製品、医薬品、その他製品などが下落率上位。
反面、非鉄金属、海運業、繊維製品などが上昇率上位だった。
日経平均は朝高後に失速したが、ファーストリテが1銘柄で60円近く押し下げていることを考慮すると底堅いと言える。
前引け時点でも東証1部銘柄のおよそ3分の2が値上がりしており、市場のムードはさほど悪くない。
一方で節目の21000円にはなかなか届かず、上値の重い展開を強いられている。
前日はソニー、本日はパナソニックが決算を受けて大きく売られており、企業業績に対する警戒ムードの広がりを指摘する市場関係者の声が増えてきた。
一段の円安進行といった手掛かり材料がない限り、目先は個別の決算対応を中心とした相場展開が続きそうだ。
なお、マザーズ市場ではサンバイオ (T:4592)が5営業日ぶりに取引時間中に売買成立した。
その後は自律反発に期待した押し目買いも入り、全市場で売買代金トップとなっている。
直近高値のおよそ5分の1まで株価下落した同社株だが、ひとまず売買が成立したことで中小型株に資金が回りだす。
ただ、先般発表された試験結果を受けての同社に対する評価はまだ定まっておらず、先行きは慎重に見極めたい。
(小林大純)