本日の市場を動かす3イベントは以下の通りである。
1. サービス業PMIの発表
米建設支出が予想外の下落となり、楽観ムードが消失することで本日5日の株式市場では売りが優勢となるだろう。トレーダーは最近発表された非製造業景況感指数も下落要因となりうると警戒していることだろう。
2月の非製造業購買担当者指数(PMI)は日本時間6日の午前0時に発表予定である。
2月非製造業PMIのアナリスト予想は57.3となっている。
3月1日に発表された製造業PMIは、需要の減速によって過去2年間の最低値まで下落した。
日本時間5日の午後11時45分には、2月の統合PMIと非製造業PMIが発表される。
2. セールスフォース、小売業の決算発表
SaaS大手のセールスフォース(Salesforce.com) (NYSE:CRM)は2020年第1四半期について弱気な見通しを発表し、時間外取引で株価が下落していたが、本日の市場取引でも下落するとみられる。
同社株は時間外取引で約3％安となった。
本日は小売り業の決算発表も控えている。
本日の取引開始前にターゲット( Target ) (NYSE:TGT)の決算発表が行われる。アナリスト予想では、一株当たり利益(EPS)が1.52ドルと前年度の1.37ドルから増加するとの予想がされている。一方で、予想売上高は229億2000万ドルと前年比1.7％増となっている。
百貨店チェーンのコールズ(Kohls) (NYSE:KSS)の予想EPSは、2.18ドルと前年比16.5％増、予想売上高は66億6000万ドルと前年度の67億4000万ドルから減収が見込まれている。
ロス・ストアーズ(Ross Stores) (NASDAQ:ROST)の予想EPSは1.13ドル、予想売上高は40億5000万ドルとなっている。アーバン・アウトフィッター(Urban Outfitters) (NASDAQ:URBN)の予想EPSは79セント、予想売上高は11億4000万ドルとなっている。
アームストロング・フローリング(Armstrong Flooring) (NYSE:AFI)の予想EPSは20セントの赤字、予想売上高は2億6590万ドルとなっている。
広告会社のクリア・チャネル・アウトドア・ホールディングス(Clear Channel Outdoor Holdings) (NYSE:CCO)は、2018年第4四半期において予想EPSが1セントの赤字、予想売上高が7億3860万ドルとなっている。
3. 米API原油在庫量統計の発表
本日5日に米石油協会(API)は米原油在庫量を発表予定であり、トレーダーは注目している。 先週27日の発表では原油在庫が大きく減少していた。
2月22日までの1週間における原油在庫量は420万バレル減少していた。
昨日4日の原油先物は1.4％高の56.59ドルとなった。今月中には米中貿易協議が合意に達するとの期待感が広まり、市場でのセンチメントは回復へと向かっている中、OPECプラスは原油の減産を継続している。
しかし、アナリストは米中間で合意に至った場合でも、すぐに世界経済の回復に繋がるとは限らず、原油需要は回復しないかもしれないとの警戒感を示している。
US Bank Wealth Managementのロブ・ハワース氏は、「現在の原油価格は2018年12月以降での高値圏で取引されているが、我々は世界経済の成長に控えめな見通しを立てていることから、原油価格のアップサイドは限定的であると考えている」と述べた。