日経平均は大幅反発。
328.55円高の21391.53円(出来高概算6億3000万株)で前場の取引を終えている。
16日の米株式市場ではNYダウが214ドル高と3日続伸。
4月住宅着工・建設許可件数が市場予想を上回ったほか、週間新規失業保険申請件数が予想より減少したことを好感した買いが先行した。
企業決算もシスコシステムズやウォルマートが良好な内容となった。
反面、米中摩擦の激化懸念から半導体関連株は軟調だったが、時間外取引ではエヌビディアやアプライド・マテリアルズ(AMAT)の株価が予想を上回る決算を受け大幅高。
本日の東京市場でもこうした流れを引き継ぎ、日経平均は183円高からスタートすると上げ幅を広げ、前引けにかけて21398.85円(335.87円高)まで上昇する場面があった。
東証1部の値上がり銘柄は全体の8割強、対して値下がり銘柄は1割強となっている。
個別では、ソニー (T:6758)が売買代金トップで10%近い上昇。
自社株買いの実施に加え、米マイクロソフトとクラウド型ゲームで提携すると発表している。
東エレク (T:8035)は同業AMATの株価上昇を受け3%超高。
エヌビディアのゲーム向け売上の増加が買い材料視され、任天堂 (T:7974)は3%近く上昇した。
その他売買代金上位もファーストリテ (T:9983)、武田薬 (T:4502)、トヨタ自 (T:7203)など全般堅調で、ソフトバンクG (T:9984)やリクルートHD (T:6098)は3%超の上昇。
レオパレス21 (T:8848)は旧村上ファンド系の株式買い増しが判明し急伸した。
また、キャリアインデ (T:6538)などが東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、村田製 (T:6981)やTDK (T:6762)といった電子部品株が軟調で、ZOZO (T:3092)は手仕舞い売りがかさみ7%安となった。
また、すてきN (T:8089)が連日のストップ安で東証1部下落率トップとなっている。
セクターでは、鉱業、石油・石炭製品、保険業などが上昇率上位で、その他も全般堅調。
下落したのは水産・農林業、空運業の2業種のみだった。
日経平均は300円を超える上昇で前場を折り返し、値上がり寄与上位を見るとソフトバンクG、ファーストリテに続き東エレクがランクインした。
米国が中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対するハイテク部品などの事実上の禁輸措置を発動し、米中摩擦の激化懸念が強まったことから、前日はこれら半導体関連株や電子部品株が日経平均の下押し役となった。
本日は反対に、エヌビディアやAMATの株価上昇を受けて半導体関連株に買い戻し圧力がかかったことが相場全体を押し上げる格好となっている。
日経平均の日足チャートを見ると、直近の調整局面で上値抵抗となっていた5日移動平均線を下から上に突き抜け、指数に絡んだ売買でも買い戻しの動きが出ているとみられる。
とはいえ、21400円近辺には75日移動平均線が位置しており、これに迫る場面では戻り待ちの売りが出やすいと考えられる。
アジア市場では中国・上海総合指数が3日ぶりに反落、下げ幅を広げる展開となっており、投資家心理に冷や水を浴びせる可能性もある。
後場の日経平均は21400円手前で一進一退の展開となりそうだ。
(小林大純)