日経平均は続伸。
89.88円高の21272.46円(出来高概算5億2000万株)で前場の取引を終えている。
27日の米株式市場はメモリアルデーの祝日で休場だった。
ただ、欧州市場ではドイツ株やフランス株が上昇。
また、東エレク (T:8035)が大規模な自社株買い実施を発表したことも好感され、本日の日経平均は4円高でスタートすると、朝方には21297.70円(115.12円高)まで上昇する場面があった。
しかし、前日の日米首脳会談でトランプ米大統領が貿易交渉について「8月にも発表できるだろう」などと述べたことから、交渉の行方を警戒する向きもあり、一段の上値追いの動きは乏しかった。
東証1部の値上がり銘柄は全体の4割強、対して値下がり銘柄は5割弱となっている。
個別では、前述の東エレクが売買代金トップで3%近い上昇。
1銘柄で日経平均を約15円押し上げた。
寄り付き直後に一時6%超上昇したが、戻り待ちの売りに押され上げ幅を縮めた。
欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)による仏ルノーへの統合提案が注目され、日産自 (T:7201)は2%超の上昇。
その他売買代金上位では任天堂 (T:7974)やソニー (T:6758)がしっかり。
日経平均寄与度の大きいソフトバンクG (T:9984)やファーストリテ (T:9983)は小幅高となった。
5月既存店売上が好材料視されたクスリのアオキ (T:3549)は大きく買われ、トーセ (T:4728)などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、楽天 (T:4755)が軟調で、村田製 (T:6981)やアドバンテス (T:6857)は小安い。
ガンホー (T:3765)はスマートフォン向けゲームの国内サービス開始を発表し、材料出尽くし感から急落。
また、レオパレス21 (T:8848)は手仕舞い売りがかさみストップ安を付けた。
セクターでは、精密機器、輸送用機器、電気機器などが上昇率上位。
反面、鉱業、石油・石炭製品、空運業などが下落率上位だった。
前日の米英市場が休場だったため、前場は海外投資家の取引参加が引き続き少なかったとみられ、日経平均も朝方の買い一巡後は伸び悩んだ。
3連休明けの米国市場の動向を見極めたいなどとの思惑もあるだろう。
ただ、アジア市場は中国・上海株を中心に総じてしっかり。
新興市場ではSOSEI (T:4565)をけん引役としてマザーズ指数が1%を超える上昇となっており、個人投資家の物色意欲は底堅い。
日経平均の日足チャートを見ると、本日の上昇で5日移動平均線を上抜けてきており、短期的には一段の戻りが期待される局面だろう。
後場の日経平均は海外勢の参加とともに再び上値を試す場面もありそうだ。
しかし、大規模な自社株買いを発表した東エレクが戻り待ちの売りに押され伸び悩んだところを見ると、半導体関連や電子部品を中心に業績の先行き懸念が根強いことが窺える。
また日米貿易交渉を巡っては、結論を参院選後の8月に先送りする見返りとしてトランプ米政権が対日要求を強めるのではといった懸念が燻っている。
主力輸出株はまだ上値を追いづらい状況で、日経平均も短期的な戻りにとどまるとみておきたい。
(小林大純)