日経平均は4日ぶり反落。
109.26円安の21647.29円(出来高概算4億8000万株)で前場の取引を終えている。
25日の米株式市場でNYダウは128ドル安と続落。
航空機のボーイングや工業製品・事務用品のスリーエムといった主要企業の決算が嫌気され、売りが先行した。
6月耐久財受注額が市場予想を上回り、週次新規失業保険申請件数は想定ほど増えなかったため、大幅利下げへの期待が後退したことも売りを誘った。
前日に一時21800円台を付けた日経平均も、本日は米株安の流れを引き継いで利益確定の売りが先行し、56円安からスタート。
ITサービスを中心とした好決算銘柄が買われる一方、輸出関連株では決算がネガティブ視されるものも多く、寄り付き後の日経平均は売りに押され21590.66円(165.89円安)まで下落する場面があった。
東証1部の値下がり銘柄は全体の7割ほど、対して値上がり銘柄は2割強となっている。
個別では、任天堂 (T:7974)やトヨタ自 (T:7203)が小安く、前日にストップ高水準で取引を終えたアドバンテス (T:6857)もやや売り優勢だった。
決算発表銘柄ではディスコ (T:6146)やオムロン (T:6645)が急落し、日清粉G (T:2002)や富士電機 (T:6504)は東証1部下落率上位に顔を出した。
これらの決算内容を受け、他の半導体関連株やFA(ファクトリーオートメーション)関連株にも売りが波及した。
一方、ソニー (T:6758)、ファーストリテ (T:9983)、日本電産 (T:6594)はしっかり。
日本電産の第1四半期は2ケタ減益だったが、成長期待が継続しているようだ。
好決算のエムスリー (T:2413)やNRI (T:4307)は急伸。
富士通 (T:6702)は本業ベースでの大幅増益が好感され、エイトレッド (T:3969)などとともに東証1部上昇率上位に顔を出した。
セクターでは、非鉄金属、機械、証券などが下落率上位。
反面、陸運業、医薬品、精密機器などは小幅に上昇した。
日経平均は前日までの3日間で340円近く上昇し、5月初めに急落して以来およそ3カ月ぶりに21800円台に乗せる場面もあったため、週末を前に利益確定の売りが出てくるのはある程度想定内だろう。
ただ25日発表分の決算を受けて、足元で相場をけん引してきた外需株全般の上昇に歯止めがかかる可能性もありそうだ。
24日発表のアドバンテス決算は想定以上に底堅い内容となり、翌25日にストップ高水準まで買われた。
これにつれてディスコも25日に年初来高値を大きく更新したが、同日の取引終了後に発表した決算が市場予想を下回り、本日は急反落となっている。
こうした企業ごとの業績動向や株価反応を見て、今後は決算内容をよく見極めたいとの思惑と銘柄選別姿勢が強まりそうだ。
決算を受けた個別物色は活発だが、売り買い交錯で日経平均は21000円台後半でのもみ合いが続くとみておきたい。
なお、ITサービスは事前の期待も高かったものの、良好な事業環境が続いていることを再確認できる決算内容と言えるだろう。
本日はキーエンス (T:6861)、日東電 (T:6988)、東エレク (T:8035)、NTTドコモ (T:9437)などが決算発表を予定している。
(小林大純)