日経平均は3日ぶり反発。
146.58円高の21763.38円(出来高概算4億9000万株)で前場の取引を終えている。
29日の米株式市場でNYダウは28ドル高と小幅に続伸したが、ナスダック総合指数は反落するなど高安まちまちだった。
30日からの米連邦公開市場委員会(FOMC)や米中の閣僚級貿易協議の結果を見極めたいとのムードが強かった。
しかし、本日の日経平均は65円高からスタートすると、寄り付き後も上げ幅を広げる展開となった。
為替相場が1ドル=108円台後半とやや円安方向に振れたことが好感されたほか、決算を受けて悪材料出尽くし感が広がった銘柄を中心に買いが入った。
日経平均は朝方に一時21792.98円(176.18円高)まで上昇すると、その後も高値圏で堅調に推移した。
東証1部の値上がり銘柄は全体の6割強、対して値下がり銘柄は3割弱となっている。
個別では、前日に決算発表したファナック (T:6954)と日立 (T:6501)がそろって3%を超える上昇となり、SCREEN (T:7735)は朝安後に切り返し4%の上昇となった。
ファナックは通期業績予想を下方修正しているが、第1四半期実績は大幅減益ながら市場予想を上回った。
これらの強い値動きを受け、キーエンス (T:6861)、アドバンテス (T:6857)、東エレク (T:8035)といった他の景気敏感株にも買いが向かった。
その他売買代金上位では任天堂 (T:7974)、ファーストリテ (T:9983)、ソニー (T:6758)が小じっかり。
また、業績上方修正のソルクシーズ (T:4284)やリブセンス (T:6054)、第1四半期決算が市場予想を上回った日特殊陶 (T:5334)が東証1部上昇率上位に顔を出した。
一方、ソフトバンクG (T:9984)は利益確定売り優勢で8日ぶり反落。
オリックス (T:8591)は第1四半期業績の伸び悩みを受けて5%近く下落した。
また、コア (T:2359)などが東証1部下落率上位に顔を出した。
セクターでは、電気機器、非鉄金属、鉄鋼などが上昇率上位。
反面、その他金融業、パルプ・紙、情報・通信業など5業種が下落した。
業績下方修正のファナックが急反発し、既に決算を通過したアドバンテスや東エレクが再び年初来高値を付けるなど、個別に見ると明るさにつながる動きも見られる。
しかし、ここ数日の物色動向を見ると、これら景気敏感株は連日発表される企業決算に一喜一憂している感がある。
明日にかけて決算発表の第1のピークを迎えるため、徐々にこれらの内容を見極めたいとの思惑も出てくるだろう。
本日はソニー、任天堂などが決算発表を予定している。
なお、日銀の金融政策決定会合では金融政策の現状維持が決まった。
特段のサプライズはないが、主要国・地域が緩和姿勢に傾いているだけに、円高要因となる可能性はある。
本日からは米FOMCが始まり、今後の利下げペースを探ることになるだろう。
米中の通商問題を巡ってはなお意見の隔たりが大きいもようで、閣僚級協議の行方が注目される。
こうしたイベントも模様眺めムードにつながりそうで、後場の日経平均はプラス圏でのもみ合いになるとみておきたい。
(小林大純)