日経平均は続伸。
152.40円高の20745.75円(出来高概算6億1000万株)で前場の取引を終えている。
8日の米株式市場でNYダウは反発し、371ドル高となった。
中国の7月貿易収支で輸出が予想に反して増加し、世界経済減速への懸念が和らいだ。
中国人民銀行(中央銀行)が人民元基準値を予想より元高水準に設定したほか、主要国での長期金利低下が一服し、幅広い銘柄に買い戻しが広がった。
米政権が中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)と米企業の取引再開の許可を先送りしているとの報道から、朝方に1ドル=105.70円台まで円高が進む場面もあったが、本日の日経平均は米株高を好感して164円高からスタート。
朝方に一時20782.06円(188.71円高)まで上昇すると、本日の人民元基準値を見極めたいとの思惑から上値が重くなった。
その人民元基準値は1ドル=7.0136元と前日に比べ小幅な元安水準に決まり、日経平均はこれを受けてやや強含んだ。
東証1部の値上がり銘柄は全体の6割強、対して値下がり銘柄は3割強となっている。
なお、日経平均オプション8月限の特別清算指数(SQ)は市場推計で20855.99円だった。
個別では、資生堂 (T:4911)が売買代金トップで9%超の上昇。
第2四半期の3カ月間(4-6月)が市場予想を上回る大幅な増益となり、好感した買いが膨らんだ。
その他売買代金上位ではソニー (T:6758)が2%超上昇し、ソフトバンクG (T:9984)や任天堂 (T:7974)もしっかり。
ファーストリテ (T:9983)、ソフトバンク (T:9434)は小幅に上昇した。
決算発表銘柄ではバンナムHD (T:7832)やテルモ (T:4543)が買われ、カドカワ (T:9468)は15%超高と急伸。
また、Ubicom (T:3937)が東証1部上昇率トップとなった。
一方、ファナック (T:6954)などがさえない。
富士フイルム (T:4901)やダイフク (T:6383)は軟調な決算が嫌気されて売られ、ネクソン (T:3659)が東証1部下落率トップとなった。
セクターでは、鉱業、精密機器、その他製品などが上昇率上位。
反面、パルプ・紙、証券、ガラス・土石製品などが下落率上位だった。
前日の米株高を引き継ぎ、本日の東京市場でも買い戻しの動きが続いている。
中国の人民元基準値が小幅な元安水準となり、元安加速への懸念が和らいだことも支援材料となった。
日経平均は7月高値21823.07円(25日、取引時間中)から8月安値20110.76円(6日、同)までの下落分の3分の1強を取り戻している。
日足チャート上では5日移動平均線を上抜け、目先は一段の戻りが期待されてくる可能性がある。
とはいえ、週前半に日経平均の鮮烈なリバウンドを演出した日経レバETF (T:1570)の買いには一服感があり、3連休を前に利益確定の売りが出やすいところでもあるだろう。
通商問題を巡る米中の応酬が続いているだけに、ポジションの持ち越しを嫌う個人投資家は多そうだ。
後場の日経平均は20600~20700円台でのもみ合いが続くとみておきたい。
(小林大純)