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アイエスビー Research Memo(1):情報サービスセグメントでは効果的なM&Aでグループ経営戦略が順調に進展

発行済 2019-09-09 15:51
更新済 2019-09-09 16:00
© Reuters.  アイエスビー Research Memo(1):情報サービスセグメントでは効果的なM&Aでグループ経営戦略が順調に進展
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■要約アイ・エス・ビー (T:9702)は1970年創業の独立系情報サービス企業。

高い技術力を売り物に、国内の携帯電話メーカー各社及び大手SI企業などを顧客として、幅広い分野でソフトウェアの開発やシステム構築などを行ってきた。

1. 情報サービス、セキュリティシステム両セグメントの順調な伸長で増収増益同社の2019年12月期第2四半期決算は売上高10,992百万円(前年同期比26.5%増)、営業利益583百万円(同12.3%増)と増収増益で着地した。

売上高では、情報サービスセグメントが好調な企業収益を背景にシステムインテグレーション(SI)・ソフト開発の受注が順調に進捗したほか、新規連結の影響により前年同期比32.0%の増収となった。

一方、セキュリティシステムセグメントは、出入管理、入退室管理システムや施工などが総体的に順調に推移し、同4.5%増収となった。

これらの結果、全社ベースの売上高は同2,305百万円増加した。

利益面では、増収に伴い売上総利益が同748百万円の増益となった。

販管費は人件費の増加などがあったものの同684百万円の増加にとどまったため、営業利益は同64百万円の増益となった。

2. M&Aの成功事例を積み重ね強固なグループ経営体制を構築。

成長の大きな武器に成長同社は2020年12月期を最終年度とする『中期経営計画2020』に取り組んでおり、これまでのところ順調な進捗となっている。

2019年12月期第2四半期に情報サービス事業が順調に拡大した背景には、同社が『ニアショア・オフショア戦略』と呼ぶグループ経営戦略の強化がある。

同社本体で受注した案件を地方(ニアショア)や海外(オフショア)の子会社に委託することで、価格競争力向上による受注拡大や収益性改善の実現を目指す取り組みだ。

これを可能にしているのは過去のM&Aでの高い実績だ。

同社の主要子会社8社のうち5社((株)インフィックスは2019年1月に(株)札幌システムサイエンスに合併し、(株)スリーエスに社名を変更)はM&Aで取得したものだが、これら5社はいずれも、のれん償却後の営業利益において黒字を実現しており、2012年から2019年(第2四半期まで)の累計での営業利益貢献額(ネット額)は1,777百万円に達している。

2019年1月に取得した2社の効果が本格化するのはこれからであり、同社のグループ経営戦略には今後も成長けん引役としての期待が高まる。

3. 2020年12月期にかけて増収増益基調が続き、中期経営計画目標の超過達成は十分視野に入っている2019年12月期通期予想について同社は、期初予想と同じく売上高22,500百万円(前期比29.0%増)、営業利益950百万円(同9.3%増)を予想している。

下期もその事業環境は上期同様良好な状態が続くと考えられ、通期の業績に不安要素は少ないと弊社ではみている。

2020年12月期については、中期経営計画で掲げる売上高240億円、営業利益11億円が1つの基準になるが、これをどの程度上回るかに弊社では注目している。

上振れ要因と期待するのは大きく2つで、1つは前述した情報サービスセグメントにおけるグループ経営戦略の更なる進展で、もう1つはセキュリティシステムセグメントの拡大だ。

これらを核に、他の重点取り組み事項の進捗やプロダクト事業の拡大などが加わることで、中期経営計画の目標を超過達成できる可能性は十分あると弊社ではみている。

■Key Points・M&Aでの成功実績を積み重ね、グループ経営の強固な基盤を確立・『ニアショア・オフショア戦略』が期待どおり奏功して収益改善に寄与・収益構造の多角化・重層化を実現し、収益安定性が大きく改善(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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