アーバネット Research Memo(1):2019年6月期は大幅な増収増益により、売上高では、過去最高業績を更新

発行済 2019-09-10 15:01
更新済 2019-09-10 15:20
© Reuters.  アーバネット Research Memo(1):2019年6月期は大幅な増収増益により、売上高では、過去最高業績を更新
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■要約1. 会社概要アーバネットコーポレーション (T:3242)は、東京23区、駅から徒歩10分以内の立地にこだわった投資用ワンルームマンションの開発・1棟販売(卸売:BtoB)を基軸事業としている。

用地取得からプラン・意匠設計、開発をおこない、マンション販売会社・ファンド・富裕層等への1棟販売を手掛けており、「ものづくり」に特化しているところに特徴がある。

設計事務所からスタートしたデベロッパーとして、モノトーンを基調とした外観、機能性やデザイン性にこだわり、開発立地へのこだわりが入居者からの高い支持を受け、空室率の低さを誇っている。

都心における不動産投資市況にはやや過熱感が続いており、用地取得の困難な状況や開発コストの高止まりなどもみられるが、国内外の不動産投資家、将来の資産形成目的の若年層や相続税対策目的の富裕層に加え、潤沢な資金を確保したファンド・リートの需要拡大により業績は好調に推移している。

また、ストックビジネスの強化にも取り組んでおり、賃貸収益物件の取得に加えて、新たにホテル事業へも参入した※。

持続的な成長に向けて、安定収益源の確保や事業ポートフォリオの拡充に狙いがある。

※2017年7月に既存の宿泊施設を取得(及び賃貸)するとともに、自社開発ホテルプロジェクト第1号「ホテルアジール東京蒲田」についても進行中(2020年5月頃の竣工予定)。

2. 2019年6月期業績の概要2019年6月期の業績は、売上高が前期比24.9%増の20,084百万円、営業利益が同28.7%増の2,148百万円と大幅な増収増益となり、売上高では過去最高業績を更新した。

また、2018年12月13日付の上方修正予想をさらに上回る着地となっている。

堅調な不動産市況を背景として、自社開発による投資用マンション等の販売戸数は671戸(前期比115戸増)に拡大。

そのうち、投資用マンションがファンドや富裕層への1棟一括直接販売となっており、業績の底上げに寄与している。

また、「その他(不動産賃貸業等)」についても、賃貸収益物件の安定稼働により堅調に推移している。

利益面でも、開発コストが大きく増加しているものの、一般管理費並びに販売管理費を抑えることなどにより、営業利益率も10.7%(前期は10.4%)に改善した。

3. 2020年6月期の業績見通し2020年6月期の業績について同社は、売上高を前期比6.5%増の21,380百万円、営業利益を同10.8%増の2,380百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。

自社開発の投資用マンション等の販売戸数は734戸(前期比63戸増)を計画。

そのほとんどが既に売買契約済である。

利益面でも、増収効果に加えて、引き続きファンドや富裕層への1棟一括直接販売の寄与などにより増益を実現するとともに、営業利益率は11.1%(前期は10.7%)に改善する見通しとなっている。

4. 今後の方向性同社の成長戦略は、既存事業の拡大を軸としつつ、ストックビジネス(自社保有の賃貸収益物件等)や子会社によるBtoC事業(マンション管理及び賃貸業等)の拡大により、事業ポートフォリオの拡充と財務基盤の安定化を図るものである。

特に既存事業については、都心での用地価格が高騰しているなかで、将来リスクも念頭に入れつつ、より採算性やタイミングを重視した慎重な用地取得に取り組む方針であり、事業環境や景気変動に柔軟に対応しながら、持続的な成長を目指していく。

また、今後一層増加すると予想される訪日外国人も視野に入れたホテル開発のほか、新しい技術やコンセプトを導入した次世代型マンションの開発など、将来を見据えた活動にも取り組む。

■Key Points・2019年6月期業績は大幅な増収増益となり、売上高では過去最高業績を更新・2020年6月期の業績も引き続き増収増益を見込む・都心での用地価格が高騰しているなかで、より採算性やタイミングを重視した慎重な仕入れに取り組む方針・ホテル開発事業の進捗のほか、新しい技術やコンセプトを導入した次世代型マンションの開発など、将来を見据えた動きにも注目(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

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