■今後の見通し● 2019年10月期通期見通し2019年10月期通期業績についてマネジメントソリューションズ (T:7033)は、売上高3,792百万円(前期比30.0%増)、営業利益423百万円(同30.4%増)、経常利益420百万円(同34.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益291百万円(同33.4%増)と増収増益を予想している。
第2四半期決算を終えても、これらの通期予想の数値は期初予想から変更はない。
前述のように、2019年10月期第2四半期は業績面で進捗が想定を上回った。
その結果、通期予想を達成するために必要な下期の収益のハードルは低下している。
営業利益を例に取れば前年同期比14.4%増益の259百万円を達成すればよいことになっている。
同社の実際の状況はそれとは正反対の状況にある。
前述のように、同社は2019年10月期の人材採用計画数(70名)の9割に当たる63人(経験者59人、新卒や4人)を上半期(第2四半期累計期間)に採用した。
これらの新入社員は一定の研修等を経て稼働することになるが、下期は63人のほとんどすべてが稼働してくると期待される。
同社の収益には、こうした人材の(入社ではなく)稼働のタイミングの点から下期偏重になる季節性がある。
2019年10月期は人材獲得が計画に比べて上期に前倒しで進んだことから、下期の業績は当初計画に比べて上振れの可能性が強まっている状況にあると考えられる。
他方で、これをもって同社の今通期の業績に上方修正期待を抱くことについては避けるべきと弊社では考えている。
同社の業績の進捗が順調であることは疑いがないにしても、その度合いについては判断材料が不足していることが挙げられる。
また、同社は中長期の成長を目指しており、積極的な人材の採用は継続する。
下期についても来期以降の分を前倒しで実施する可能性もある。
さらには、中長期成長戦略の項で述べた各施策のための先行投資を強化する可能性もある。
こうしたことから、2019年10月期通期の業績については現在の予想をベースに進捗を見守るスタンスで臨むことがより安全だと弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)