[北京 15日 ロイター] - 中国金属学会(CSM)の干勇理事長は15日、同国の鉄鋼業界について、小規模な製鋼所が計画外の生産能力拡大を行うことで、政府が進める業界再編の取り組みに逆行するような分裂が進行しているとの見方を示した。
政府は過剰な生産能力の削減と大気汚染への対応に取り組んでおり、2020年までに生産能力全体の60%を上位10社で占める目標を掲げている。
しかし干氏は、小規模製鋼所が迅速に動いているのに対し、大半が国有の大手製鋼所は生産能力拡大のスピードが遅く、業界再編の動きはむしろ後退していると指摘した。
中国工業情報化省は最近、無認可の製鋼所の新設や、閉鎖すべき製鋼所の存続を通じて生産能力が不適切に増強されていると警告していた。
1─8月の同国の鉄鋼生産量は前年比9.1%増の6億6500万トンだった。