[23日 ロイター] - 米ボーイング (N:BA)が23日発表した第3・四半期決算は墜落事故を起こした旅客機「737MAX」の運航停止が長引いていることが響き、53%の減益となった。
このほか「787ドリームライナー」の生産削減や、777型機の後継「777X」の納入開始の延期などを発表。ただこうしたマイナスのニュースにもかかわらず、ボーイング株は午前の取引で約2.6%高の345.68ドルとなっている。
アナリストは737MAXの運航が第4・四半期中に再開されるとの見通しで、787型機の生産削減などのマイナスのニュースが相殺されていると指摘。シーポート・グローバルのアナリスト、ジョシュ・サリバン氏は「787型機の生産削減は主に米中通商交渉に関連している公算が大きい」とし、このため「向こう1年間で改善する可能性がある」と述べた。
第3・四半期は中核的営業利益は8億9500万ドル(1株当たり1.45ドル)と、前年同期の18億9000万ドル(同3.58ドル)から大きく減少した。
純現金収支はマイナス28億9000万ドル。前年同期はプラス41億ドルだった。
デニス・ミューレンバーグ最高経営責任者(CEO)は「737MAXの安全な運航再開が引き続き最優先事項となっている。これに向けた進展はみられている」と述べた。
ただ同CEOはアナリストとの電話会議で、運航再開の見通しが変化した場合は、737の生産削減、もしくは生産停止を検討する可能性があると述べた。
737MAXの運航再開時期について、欧州航空安全局(EASA)は早ければ来年1月にも認める可能性があるとしており、今年第4・四半期の再開見通しとずれがあるほか、ユナイテッド航空 (O:UAL)、アメリカン航空グループ (O:AAL)、サウスウエスト航空 (N:LUV)などの大手米航空会社は来年まで運航再開を予定していない。
ボーイングは双通路(ワイドボディー)機の777Xについて、初めてのテスト飛行を2020年初旬に実施する計画は変更しなかったが、納入開始時期は21年初旬に延期。787ドリームライナーについては、20年終盤から約2年間の毎月の生産機数を12機に削減する。
*内容を追加しました。