[28日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベット (O:GOOGL)が28日発表した第3・四半期決算は、利益が市場予想を下回った。事業の拡大を進める中、経費が売上高の伸びを上回るペースで膨らみ、過去最高を記録した。株価は引け後の取引で1.6%値下がりし、通常取引での上昇率(1.95%)をほぼすべて消す展開となった。
純利益は71億ドル(1株10.12ドル)。リフィニティブのアナリスト予想は88億1100万ドル(同12.44ドル)だった。営業利益率は23%と、前四半期の24%から低下した。
売上高は20%増の405億ドル。市場予想は19.52%増の403億2500万ドルだった。経費は約25%増の313億ドル。過去最高だった昨年第4・四半期の311億ドルを上回った。
同社はインターネット検索、広告、動画サービスにおける世界最大手だが、近年はアマゾン・ドット・コム (O:AMZN)やマイクロソフト (O:MSFT)との厳しい競争に直面しており、首位を維持するうえでに欠かせないとみるクラウドコンピューティングや家電といった分野で、支出を拡大してきた。
ただ、ハーグリーブス・ランズダウンの株式アナリスト、ニコラス・ハイエット氏は、同社の支出拡大に過度な懸念はないと指摘。リサーチノートで「サンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)は、採算性への関心が強まれば、いつでも投機的な支出を抑えることが可能だ。しかし、大方の投資家は彼がこのアプローチを維持することを望んでいると思う」と述べた。
アルファベットは第3・四半期に他社株の保有に関連し、15億ドルの含み損を計上。利益が約10億ドル押し下げられたが、広報担当者は保有株の詳細なパフォーマンスには言及しなかった。
フランスの税務当局との9月の和解に関連した費用5億5400万ドルの計上も、利益を圧迫した。
ポラット最高財務責任者(CFO)は、アナリストに対し、同社の売上高伸び率はアルファベットの「強さと活力」を示していると強調。「過去12カ月の総売上高は1500億ドル超で、この期間に約250億ドル増加したことになる」と語った。
インベスティング・ドットコムのアナリスト、ハリス・アンワル氏は「大手ハイテク企業のビジネス慣行を巡って厳しい目が向けられる中で、今回収益が予想に届かなかったことから不確実性が高まるのは必至で、同社への悲観的な見方も強まるだろう」と述べた。
アルファベットの株価は過去12カ月に17%上昇。マイクロソフトの33%高、フェイスブック (O:FB)の29%高と比べてアンダーパフォームしている。