[東京 11日 ロイター] - 大林組 (T:1802)は11日、2020年3月期上半期(4─9月)の営業利益が727億6400万円(前年同期比11.9%増)と上半期では過去最高を記録したと発表した。一方、通期見通しは、営業利益1500億円(同3.5%減)、受注高1兆9650億円(同0.3%増)とそれぞれ従来の予想を据え置いた。
増益の背景として、建築工事で大型工事の施工が順調に進ちょくしたほか、土木工事も手持ち工事を順調に消化し、大型工事の追加請負金を確保したことでいずれも利益率が向上したことを挙げている。ただ、下半期については、設計変更の有無など現時点では全体を的確に見極められないことから見通しを据え置いた。
一時高騰していた資材費や労務費は、資材費でコンクリート系資材が横ばい、スクラップ価格の下落でH型鋼など鋼材が足元で弱含みとなっているなど、当面はコストプッシュする要因にはならないという。
一方、受注環境は堅調にするとみている。会見した小寺康雄取締役専務執行役員は「米中貿易摩擦の影響はありながらも、製造業の受注が多い状況で、来年に向けて建築は悪くならないだろう。土木も国土強靭化という国の目標があるため、リニューアル工事も含めて工事が出てくるとみられ、悲観する状況ではない」と語った。
(水野文也)