[ニューヨーク 22日 ロイター] - JPモルガン・チェース (N:JPM)やゴールドマン・サックス (N:GS)など米大手銀行の一部は金融規制による資本上乗せを避けるために、年末に向けて短期金融市場で貸し出しを控える可能性がある。
米連邦準備理事会(FRB)が22日に公表した四半期データによると、「グローバルなシステム上重要な銀行(G─SIB)」に該当する大手6行のうち、4行はサーチャージ(資本上乗せ)が拡大する水準を超えているか近い状況にある。
判断の基準となる点数を引き下げる簡単な方法の一つはレポ取引(国債等を担保とする短期資金の取引)や為替スワップ市場で貸し出しを減らすことだと専門家は指摘している。
これらの市場は過去数カ月間に圧迫され金利が上昇した経緯がある。資金の出し手が減れば再び混乱が生じかねない。
JPモルガンのデリバティブ・ストラテジスト、ジョシュ・ヤンガー氏は、12月に景況感が変化すれば他の月よりも市場への影響が大きくなる恐れがあるとの見方を示した。同氏はJPモルガンの貸し出しには関わっていない。
JPモルガンが提出した9月時点のデータによると、同行の点数は751で、21ポイント引き下げないと資本上乗せ幅が3.5%から4%に拡大する。アナリストの試算によれば、730を下回らないと同行は資本を80億ドル積み増すことが必要になる。そうなれば自己資本利益率(ROE)が悪化するが、JPモルガンはこれまでに730未満にとどまるとの見通しを示している。
同様にゴールドマンは少なくとも16ポイント、バンク・オブ・アメリカ (N:BAC)は8ポイントそれぞれ点数を引き下げる必要がある。
シティグループ (N:C)は資本上乗せが必要な点数を2ポイント下回っているが、第4・四半期の株高で点数が上昇する見込みだ。