皆さま、こんにちは。
フィスコ企業リサーチレポーターの馬渕磨理子です。
『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、最新のニュース情報も交えながらお話しする連載です。
■日本の得意分野、電子部品業界前回は半導体業界を取り上げましたが、今回は、「電子部品業界」です。
そろそろ来年の見通しを立てていくにあたり、来年(2020年)からの5G本格化が追い風となりそうな電子部品業界に注目したいと思います。
電子部品業界には日本電産 (T:6594)、京セラ (T:6971)、村田製作所 (T:6981)など世界を代表する日系企業が数多く存在します。
最終製品を製造して消費者に提供する製造業者はセットメーカーと呼ばれたりしますが、それに対し部品メーカーはそのセットメーカーが製品を製造する際の部品を納品する業者であり、セットメーカーにとって部品メーカーはなくてはならない存在ともいえます。
最近では日本の電子部品企業は日本企業に対してのみならず、欧米やアジアのEMS企業へも高品質の部品を供給しています。
新しい革新的技術を生み出すか、時代の機器の変化に対応できるか・・・新技術に挑戦し続けなければ、事業機会を逸してしまう電子部品業界において、日本の企業はM&Aも含め新たな領域に挑戦を続けています。
■電子部品業界の次なるマーケットは自動運転村田製作所では、「通信」と「車載」を成長の軸に連結売上高2兆円を目指しています。
京セラも注力分野は「5G通信」と「車載CASE関連」としています。
また日本電産も車載用モーターに力を入れており、「EVに1兆円投資する」と永守CEOが発表しており、各社が同じ方向に向かっていることがうかがえます。
世界では、高機能化が進むスマートフォンが年間14億台生産され、電子部品市場を牽引してきました。
スマートフォン自体の市場は成熟してきていますが、依然として部品需要は高い水準で推移しています。
今後は、自動車の電装・電動化や産業機器に関連する電子部品の需要が、市場拡大に合わせてさらに増加傾向を示してくるでしょう。
また、流通データが増加してくるので、通信基地局やデータセンターで使用する通信部品などの需要も高まると考えられます。
例えば、村田製作所が強みをもつ積層セラミックコンデンサー(MLCC)はスマートフォンに1000個、EVなどの自動車では3000~1万5000個程度使用されています。
■注目しておくべき電子部品業界の銘柄電子部品業界は大きく分けると、総合メーカー、モーター系、水晶デバイス、基板・コネクターなどに分けられます。
・太陽誘電 (T:6976)総合メーカーの中の準大手に位置します。
積層セラミックコンデンサーと言えば村田製作所が最大手ですが、太陽誘電も世界シェアで上位を占めています。
村田製作所の場合はコンデンサーの売上比率が36%程度に対し、太陽誘電のコンデンサー売上比率は60%超で、業績へのインパクトがより大きいことから期待が持てます。
・イビデン (T:4062)デンソー (T:6902)と資本業務提携をしている企業で、インテル向けICパッケージが主軸です。
また、プリント基板大手でもあります。
電子部品業界は、20年度の業績が悪化し、21年度から回復見通しという企業が比較的多いなか、同社は20年3月期の連結営業利益が前期比68%増の170億円となる見込みです。
今回上げた銘柄以外にも、電子部品業界関連の銘柄があります。
マネックス証券のトレードステーションのワークスペースにてまとめていますのでぜひご覧ください。
(その他の代表的な『電子部品業界』の銘柄リストは、『マネックス証券トレードステーションのHP コラム・レポートのページ』からダウンロードできます。
)次回も、このような形で、話題のニュースから読み解いたテーマとトレードステーションのツールについてお話しします。
※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStation Groupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。
開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。
(フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子)