[ワシントン 4日 ロイター] - 中国の崔天凱・駐米大使は4日、中国と米国は貿易を巡る相違の解消に取り組んでいると述べた。ただ、具体論には踏み込まず、両国間にくさびを打とうとする勢力が存在するとも指摘した。
崔大使は、米中ビジネス・カウンシル主催の夕食会で、米中関係は貿易摩擦のために重大な岐路に立っているが、より良い道に戻ることは可能との見解を示した。
「同時にわれわれは、一部の破壊勢力が現下の貿易摩擦に乗じて「デカップリング(分離)」「新冷戦」「文明の衝突」といった極論を展開することを警戒しなければならない」と述べた。
崔大使は、米中両国企業に、両国間の取引を拡大するよう訴え、「敵対感情を拡散し、衝突さえ生む」動きや、香港や新彊ウイグル自治区に関する「フェイクニュース」に対抗するよう呼び掛けた。
米中の「第1段階」通商合意について、トランプ米大統領は来年11月の米大統領選後に先延ばしする可能性を示唆している。
また、米議会下院は3日、中国政府が新彊ウイグル自治区でウイグル族などを弾圧しているとして、トランプ政権に強硬な対応を求めるウイグル人権法案を可決した。中国外務省は4日、同法案が米中の重要分野での協力に影響を及ぼすと警告した。
崔大使は、香港と新彊の状況に関する報道はひどくゆがめられていると指摘。「どんなにフェイクニュースが報道されようとも、事実は事実だ」と述べた。
米中貿易協議には言及しなかったものの、中国政府は、米国との2国間貿易・投資の拡大に向けた決意は変わらないと述べた。