[ソウル 13日 ロイター] - ドイツの食品配達サービス企業デリバリー・ヒーローは、韓国の同業ウーワ・ブラザーズを40億ドルで買収することで合意した。ウーワ・ブラザーズが13日、明らかにした。合弁会社を設立し、グラブやウーバー・イーツ、ゴジェックに対抗する。
デリバリー・ヒーローのウーワ買収は、食品配達サービス業界のM&A(合併・買収)としては世界最大。韓国のネット企業が絡む案件としても最大となる。
出前アプリ「配達の民族」を運営する国内業界最大手ウーワ・ブラザーズは、ソフトバンクグループ (T:9984)が出資する韓国電子商取引企業クーパンなどライバル会社との競争激化に直面している。
デリバリー・ヒーローは韓国で業界2位。ウーワ・ブラザーズの株式87%を米ゴールドマン・サックス (N:GS)やシンガポール政府投資公社(GIC)[GIC.UL]、中国の投資会社ヒルハウス・キャピタル、米ベンチャーキャピタルのセコイア・キャピタルなどの投資家から取得し、ウーワの経営陣が保有する残り13%は、デリバリー・ヒーローの株式に転換される。
ウーワは、デリバリー・ヒーローへの身売りは競争が激しい市場での「生き残り戦略」と説明。
ウーワの広報担当者は「食品配達市場は、巨大な日系資本やプラットフォーム企業でひしめいており、生き残り戦略として提携が選択肢となった」と述べた。
ユーロモニターのデータによると、韓国オンライン食品配達サービス市場の規模は59億ドル。過去5年で倍以上に拡大し、日本とドイツの合計を上回り、中国、米英に次ぐ存在となっている。
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