[北京 19日 ロイター] - 中国財政省は19日、今月26日から来年12月25日まで関税を免除する米国の化学・石油製品6品目のリストを新たに公表した。
この6品目を選んだ理由や6品目の輸入額は明らかにしていない。
米中は13日、「第1段階」の通商合意をまとめた。トランプ米大統領は15日に予定していた対中追加関税の発動を見送り、発動猶予と引き換えに中国は米農産物の購入を拡大していくと表明した。
関税免除は26日から実施される。同省によると、免税の対象となるのは高密度ポリエチレン(HDPE)や鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などの化学製品4品目に加え、流動パラフィン(ホワイトオイル)や石油ワックスを含む精製石油製品。免税期間は2020年12月25日までの1年間。
既に徴収された関税は還付されないとしている。
「第1段階」の通商合意の前にも、財政省は6日、国務院(内閣に相当)の決定として、米国産大豆および豚肉の一部について輸入関税を免除すると発表した。
同省はさらなる関税免税に取り組み、新たな免税リストを適切な時期に発表する方針も示した。
ウッド・マッケンジーのプリンシパルアナリスト、Kelly Cui氏は、今回の化学製品の関税免除はダウ・ケミカルやエクソン・モービル (N:XOM)、シェブロン (N:CVX)などの企業に恩恵をもたらすと指摘した。
「関税免除によって中国は再び米国からのHDPEやLLDPEの輸入を増やす可能性がある。これまで米国からのこれらの輸出は中南米や欧州に向かい、中国は主に中東から輸入していたため、貿易の流れが変わることになる」と同氏は語った。
同氏は中国の税関のデータを引用し、2018年に中国が686万トンのHDPEと446万トンのLLDPEを輸入したと指摘した。仕入原価に基づくロイターの計算によると、これらの輸入金額は合計約140億ドル相当となる。
石油ワックスについては、19年1━10月の米国からの輸入量は1108トン、金額にして320万ドル相当と、中国が輸入する石油ワックス全体のわずか10分の1にとどまった。
同時期、流動パラフィン(ホワイトオイル)の輸入は3490トン、金額で870万ドル相当と、同項目全体の約6%となった。
*情報を追加しました。