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農業総合研究所 Research Memo(1):2019年8月期は黒字転換を果たし、収益成長の基盤を固める

発行済 2020-01-07 15:01
更新済 2020-01-07 15:21
© Reuters.  農業総合研究所 Research Memo(1):2019年8月期は黒字転換を果たし、収益成長の基盤を固める
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■要約農業総合研究所 (T:3541)は、「持続可能な農産業を実現し、生活者を豊かにする」をビジョンに掲げ、日本及び世界から農業がなくならない仕組みを構築することを目的として、2007年10月和歌山市に設立された。

その実現のために、ミッションとして「ビジネスとして魅力ある農産業の確立」を目指し、2016年6月に上場した農業ベンチャーだ。

2019年10月15日に発表された2019年8月期連結業績は、売上高3,102百万円(前期比34.3%増)、営業利益5百万円(前期は96百万円の損失)、経常利益20百万円(同47百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益4百万円(同29百万円の損失)となった。

2019年8月期は暖冬による相場安の影響を受けたが、物量調整等の取り組みにより黒字転換を果たした。

またKPI(重要業績指標)は堅調に増加し、計画どおりの投資により収益成長の基盤を着々と固めている。

「農家の直売所」事業の単一セグメントだが、委託販売システム、買取委託販売、卸販売のすべての領域で増収となった。

同社のKPIである国内店舗数は2019年8月期末時点で1,416店舗となり、前期末の1,185店舗から231店舗増加した。

2020年8月期からは単体の業績予想となるが、売上高3,200百万円(前期比12.2%増)、営業利益60百万円(同34.6%増)、経常利益60百万円(同30.2%増)、当期純利益35百万円(同57.7%増)を見込んでいる。

特に2020年8月期は、業績が相場の影響を受けにくい仕組みを構築し、中長期的な流通総額の拡大につなげていく。

具体的には、出荷手数料を料率負担から個建負担に変更、またバラ出荷方式を導入することで業務受託の本格開始を目指す。

同社は数多くの企業と業務提携を行っている。

特筆すべきは、2018年10月19日に「日本郵政 (T:6178)グループとの関係強化を目的にとした資本提携契約締結及び株式の売出し並びに主要株主の異動に関するお知らせ」を発表したことである。

本提携により、日本郵政グループの郵便局ネットワークを活用して、同社の「農家の直売所」プラットフォームを全国の生産者に利用してもらうこと、同社サービスを補完し登録生産者の利便性を高めることが可能となり、同社の流通総額が拡大することが見込まれる。

日本航空 (T:9201)との業務提携では、新千歳空港及び旭川空港に空港集荷場を開設したことで、朝どれトウモロコシを首都圏で当日販売するなど、新たな農産物流通を構築した。

株主に対する利益還元については、同社は成長過程にあるため、配当による利益還元よりも内部留保の充実を図り、事業の効率化と事業拡大のための投資に充当することの方が、株主に対する最大の利益還元につながると考えている。

このため配当は実施しておらず、今後においても経営体質強化、事業拡大のための内部留保を確保することを基本方針としている。

なお、将来的には剰余金の配当を行う方針としているが、実施時期等については未定としている。

■Key Points・2019年8月期のKPIは、国内店舗数が231店舗増加、生産者数が760人増加、集荷場が6拠点増加となった・2019年8月期は経常利益黒字転換。

計画どおりの投資により収益成長の基盤が固まる・日本郵政や日本航空など多くの企業と提携を行うことで、流通ネットワークが拡大(執筆:フィスコ客員アナリスト 福田 徹)

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