[東京 9日 ロイター] - 日本郵政 (T:6178)の増田寛也社長は9日、不適切な保険販売を見逃してきた組織風土の変革に向け、社外の専門家も含めたタスクフォースを立ち上げる考えを示した。顧客からの信頼回復には「長い年月がかかる」との認識も示し、「(4月以降とみられる保険商品の)販売再開のことまでは、まだ考えていない」と語った。
かんぽ生命保険 (T:7181)の千田哲也社長、日本郵便の衣川和秀社長とともに都内で記者会見した。郵政の増田社長は冒頭、不適切な保険販売で信頼を棄損した現状に「深くお詫び申し上げる」とあらためて陳謝した。グループ創立以来の危機意識も重ねて示し、「一刻も早く全容を解明し、再発防止策を講じる。グループ役員、社員全体で危機感を共有して事態の解決を図っていきたい」と述べた。
再発防止に向けては「社長直轄のタスクフォースを設置し、外部専門家も入れてコンプライアンスを確立するための再発防止策を考え、着実に実行したい」と明言した。月内にまとめる業務改善計画を巡って「(行政処分に伴う)マイナスをゼロに戻すだけでなく、プラスに転換できる対策を考えたい」との選択肢も示した。
郵政民営化そのものは今後も推進すべきと強調し、「(民営化に伴って)経営の自由度も増す。早く株式を売却して市場に評価していただくことが国民のサービス改善につながる」との考えを述べた。
(山口貴也 編集:内田慎一)