[北京 3日 ロイター] - 中国国家統計局が発表した昨年12月の工業部門企業利益は、前年比6.3%減の5883億9000万元(852億2000万ドル)だった。2019年通年では3.3%減の6兆1996億元(8979憶6000万ドル)。19年1─11月は前年同期比2.1%減だった。通年での減少は4年ぶり。経済の減速や米中貿易戦争が打撃となった。
一方、今回のデータは新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する前のもので、エコノミストらは新型肺炎の影響が2020年上半期の経済成長に深刻な打撃を与えるとみている。アナリストの間では、第1・四半期の経済成長率が5%かそれ以下まで落ち込むとの見方もある。
中国政府は経済を支えるために流動性の供給や信用面での支援策などを強化するとアナリストらはみているが、新型ウイルスの影響が内需をさらに後退させる可能性があるなか、第1・四半期にこうした政府の対策が経済を好転させる可能性は低いとみられている。
国家統計局の当局者がデータとともに公表した声明によると、昨年の工業部門利益の減少は主に売上高の鈍化や、原材料・労働コストの増加が主因だった。また、鉄鋼や石油化学、自動車といった基幹産業の利益が目立って落ち込んだという。
2019年通年の国有工業部門企業の利益は前年比12.0%減少した。一方、民間セクターの利益は2.2%増加した。
工業部門企業の負債は12月末時点で前年比5.4%増の67兆3900億元。11月末時点では同5.3%増だった。
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